Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート 2021年3月号

Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート
2021年3月号

2021年1月米国Apple App Store
日本アプリ ダウンロード数・売上金額

ここ数年、日本アプリの海外市場での苦戦が報じられていますが、実態はどうなのでしょうか?今回のレポートでは、米国Apple App Storeにフォーカスし、最新2021年1月のデータを調査し、本年に入って米国における日本のアプリの状況をレポートします。具体的には、米国市場における日本アプリのダウンロード数、売上金額、米国でのランキング、さらにパブリッシャー単位で比較した場合のダウンロード数、売上金額ランキングをレポートします。

 

米国市場 日本アプリ ダウンロード数ランキング

2021年1月、米国Apple App Storeにおいて、日本アプリでダウンロード数トップは、ゲームアプリではなく、フリマアプリの「Mercari」(英語版メルカリ)。2020年、米国での新型コロナウィルスによる巣篭もり需要の影響は、「Mercari」には好転に作用したようで、「Mercari」によれば、2020年3月1日の週と6月21日の週を比較した場合、出品者で35%、購入者で36%、出品数で53%増加したと発表しています。さらにこれにドライブをかけるように、本年2月7日には、米国最大のスポーツイベントである「スーパーボール」に、30秒5億円と言われるテレビスポットを投下しています。 しかしながら、その月間ダウンロード数は50万以下で、日本のアプリ内ではトップですが、米国全体では113位と100位以外にランクされています。

その次にランクされているのが任天堂最強のIP「マリオ」をフィーチャーした「Mario Kart Tour」と「Super Mario Run」。両アプリともすでにダウンロード数のピークはすぎており、米国全体でのダウンロードランキングは200番台後半となっています。

日本のアプリで気がかりなのはKAYAC社の「Paint Dropper」と「Park Master」。KAYAC社は、昨年「Park Master」で米国Apple App Storeにおいてダウンロード数ランキングで第1位を獲得したパイパーカジュアルゲーム・パブリッシャーですが、「Park Master」を含め、その後リリースしたアプリが米国でヒット作になっておらず、2021年1月では「Paint Dropper」と「Park Master」ともダウンロードランキングで400番台に甘んじています。

米国Apple App Store 2021年1月での日本アプリのダウンロード数を総括すると、トップの「Mercari」でも100位以内にランクインできず、2021年は厳しいスタートとなっています。

 

Figure 1
米国Apple App Store
2021年1月日本アプリ ダウンロード数ランキングトップ10

Figure 1

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 2021, US

 

次に、売上金額で見た場合はどうでしょうか?やはり日本のアプリでは強力なIPを持ったアプリが上位にランクされており、 「ドラゴンボール」「Fate」「Yu-Gi-Oh!」等、人気アニメをフィーチャーしたアプリの売上金額が高くなっています。

日本アプリで第1位と2位は、バンダイナムコ社がリリースした「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」「DRAGON BALL LEGENDS」。これに日本で人気の「Fate/Grand Order」が続いています。しかしながら、この3アプリのみが月間100万ドル(約1億500万円)を超える売上規模になっており、また米国での売上ランキングでも、前述の「DRAGON BALL」の2アプリのみが、売上金額ランキング100位以内に入っている結果となっています。

さらにこれらのアプリは2018年以前にリリースされたアプリで、米国では日本の新作アプリが上位には入っていないのが現状です。日本アプリトップ10内で、2020年以降リリースされたアプリはコミックの「Pocket Comics: Premium Webtoon」のみで、米国での売上ランキングは453位と低迷しています。

 

Figure 2
米国Apple App Store
2021年1月日本アプリ 売上金額ランキングトップ10

Figure 2

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 2021, US

 

次に単独のアプリではなく、アプリパブリッシャー単位で、米国Apple App Store 2021年1月の日本アプリのパフォーマンスを見てみましょう。Figure3は、日本のアプリパブリッシャーがリリースしている全アプリのダウンロード数を合計したランキングとなっています。

日本トップは、「Mario Kart Tour」を筆頭とした任天堂。しかしながら、米国総合パブリッシャーランキングでは64位と、50位以内にランクインできていないことがわかります。また2位はGeisha Tokyo社、3位はKAYAC社であり、両社とも米国においてハイパーカジュアルゲームで成功している日本のパブリッシャーですが、2021年1月はかなり苦戦しており、米国でのランキングではGeisha Tokyo社が77位、KAYAC社が118位となっています。ちなみにハイパーカジュアルゲーム世界第1位のフランスVoodoo社の同時期の総ダウンロード数は920万。これは、Geisha Tokyo社の約12倍、KAYAC社の約17倍のダウンロード数に相当します。

Figure 3:
国内Apple App Store
2021年1月Non-Game(ゲーム以外)アプリ
前月対比売上金額増トップ10アプリ

Figure 3

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 2021, US

 

最後にパブリッシャーの売上金額ランキングを見てみると、ダウンロード数とほぼ同じ結果となっています。日本のパブリッシャーで、米国Apple App Store 2021年1月において最大の売上を達成したのはバンダイナムコ社。しかしながら、米国総合ランキングでは32位となっており、さらにその内訳は、2015年にリリースした「DRGON BALL Z DOKKAN BATTLE」が全売上の50%を占める結果となっています。

これに任天堂、Aniplex社、KONAMI社が続きますが、米国総合ランキングでは、任天堂が79位、Aniplex社が105位、KONAMI社が118位に止まっています。

米国のApple App Storeは、日本の市場規模を上回り、中国に次ぐ世界第2位の巨大市場です。2021年はまだ始まったばかりですが、米国において、今後の日本アプリの躍進に期待したいと思います。

 

Figure 4:
国内Apple App Store
2021年1月Non-Game(ゲーム以外)アプリ
前月対比売上金額増トップ10アプリ

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 2021, US

 

iOS版「mercari」(メルカリ英語版)アプリ 使用SDK一覧

弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できるために世界的で高い評価を得ています。今回のレポートでは、このMIXRANKのデータを使用して、上記トピックス中、米国Apple App Store 2021年1月、日本アプリでダウンロード数トップになったiOS版「Mercari」を取り上げ、このアプリが現在どのSDKを採用しているのかをレポートします。

下記Figure 5が、2021年2月17日のアップデートの際に「Mercari」が採用したSDKの一覧となります。重複はありますが、カテゴリ項目に該当する採用SDKをリストアップしたのもです。その内容は、バックエンドの開発に関しては、Googleが提供している「Firebase」関連のSDKを多用し、SNS系ではFacebook系、広告の分析では「Adjust」を採用しています。他アプリとは違う点は、ユーザーの行動分析に「Appboy」関連のSDKを採用している点が挙げられます。「Appboy」は、新規ユーザー獲得よりも獲得したユーザーをいかにして継続させるかにフォーカスしたツールで、フリマアプリとしての「Mercari」の戦略を反映した採用と思われます。

 

Figure 5:
2021年2月17日
iOS版「Mercari」採用SDK一覧


Source : MIXRANK社調べ

 
 
 
 
Airnow

Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Data(旧PrioriData)は、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://www.airnowjapan.com/

 
 
MixRank

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 
 
インターアローズ

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。 戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 
 

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スマーフォンアプリ市場分析データ Airnow Data(旧Priori Data):https://www.airnowjapan.com/

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