今号は海外市場に目を向けて、米国Apple App Storeにおける日本アプリのパフォーマンスをレポートします。昨年はKAYAC社のパズルゲーム「Park Master」が全米でダウンロード数ランキング第1位になるなど、日本アプリの躍進が見られましたが、今年はどのような状況なのでしょうか?米国Apple App Storeの本年1月から5月までのデータを使い、米国における最新日本のアプリとパブリッシャーの状況をレポートします。
下記Figure 1は、本年1月から5月までの米国Apple App Storeで、日本のアプリのみをピックアップしたダウンロード数ランキングトップ10です。トップは2019年9月にリリースされた任天堂の「Mario Kart Tour」。これにフリマアプリの米国版「Mercari」(メルカリ)が続いています。
しかしながら、アプリダウンロード数で懸念されるのは、日本アプリでトップである「Mario Kart Tour」であっても、米国Apple App Store全体のダウンロード数ランキングでは、100位外の140位。さらにこれら日本のアプリの大半は2年以上前にリリースされたものであり、日本アプリの新作がランキングトップにランクされていない点です。
ちなみに同期間の米国Apple App Storeでのダウンロード数トップは、中国発の「TikTok」で、そのダウンロード数は2,000万以上。「Mario Kart Tour」の約11倍の数値となっています。また2年程前から、米国市場でGeisha Tokyo社、Kayac社を筆頭とする「ハイパーカジュアル・ゲーム」が脚光を浴びましたが、明らかに新作が低迷しており、本年は非常に厳しい年となっています。国内アプリのダウンロード数ランキングでは8位にランクされているKayac社の新作「Ball Run 2048」でも米国ランキングでは595位で、これでは広告が主たる収入となる「ハイパーカジュアル・ゲーム」としては、非常に厳しい状況にあると推察できます。
Figure 1
米国Apple App Store
2021年1月-5月
日本アプリ/ダウンロード数トップ10アプリ
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – May 31 2021, US
では、売上金額ではどうなのでしょうか?Figure 2は、ダウンロード数同様、同期間における米国Apple App Storeでの日本アプリの売上金額ランキングトップ10をリストアップしたものです。米国では日本のアニメ系のゲームが人気で、トップは「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」。第2位もドラゴンボールIPの「DRAGON GALL LEGENDS」が続いています。
しかし米国市場での日本アプリの売上金額は、ダウンロード数同様上位にランクされておらず、「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」でも全米ランキングでは68位、「DRAGON GALL LEGENDS」に至っては95位にまでダウンしています。さらに新作アプリの成功が見られず、トップ10アプリ中、最新のアプリであるスクウェア・エニックス社の「FFBE WAR OF THE VISION」は、全米ランキングでは437位に甘んじています。
米国Apple App Store
2021年1月-5月
日本アプリ/売上金額トップ10アプリ
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – May 31 2021, US
次にアプリではなく、パブリッシャー単位で見た場合はどうなのでしょうか?結果はさらに明確になっています。Figure 3は、アプリ同様、同期間での米国Apple App Storeでの日本のパブリッシャーのダウンロード数ランキングトップ10をピックアップしたものです。トップは任天堂、2位、3位は「ハイパーカジュアル・ゲーム」のKayac社、Geisha Tokyo社がランクされていますが、上位4社のダウンロード数は、前期間に比較して30%以上減少しています。
Figure 3:
米国Apple App Store
2021年1月-5月
ダウンロード数トップ10パブリッシャー
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – May 31 2021, US
最後に、米国Apple App Storeでの日本のパブリッシャーの売上金額ランキングを見てみましょう。結果はダウンロード数同様、非常に厳しい状況になっています。上位4位までは、前期間の売上金額を下回り、トップのBANDAI NAMCO社でも全米のパブリッシャーランキングでは36位と他国のパブリッシャーに大きく差をつけられています。
ここ数年、Geisha Tokyo社、Kayac社の躍進で、米国における日本アプリの可能性を感じさせてくれましたが、本年に入っては状況が変わってきているようです。しかしながら、米国は日本を上回る巨大市場。日本のアプリが国内のみのガラパゴス化を脱して、今後米国を含むグローバル市場で成功することを期待したいと思います。
Figure 4
米国Apple App Store
2021年1月-5月
売上金額トップ10パブリッシャー
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – May 31 2021, US
弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回のレポートでは、このMIXRANKのデータを使用して、米国Apple App Storeで日本アプリ内では売上金額2位のiOS版「DRAGON BALL LEGENDS」を取り上げ、このアプリが現在どのようなSDKを採用しているのかをレポートします。
下記Figure 5が、2021年6月2日のアップデートの際での「DRAGON BALL LEGENDS」アプリが採用しているSDKの一覧となります。「DRAGON BALL LEGENDS」アプリの特徴としては、開発系では、iOS版のため、基本Appleが提供しているものが多数を占めていますが、機能によりGoogleが提供しているFirebase関連のSDKを併用しています。さらにSNS系ではFacebookが提供しているSDKを採用しています。
その他の特徴として、ゲーム系の開発プラットフォームとして「Unity」、広告を含む分析系では「Adjust」、クラッシュ分析では「SmartBeat」、広告系では「IronSource」、プッシュ配信で「GrowthPush」を採用していることが挙げられます。
Figure 5:
2021年4月12日
iOS版「DRAGON BALL LEGENDS」アプリ採用SDK一覧
Source : MIXRANK社調べ
Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Data(旧PrioriData)は、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。
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米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。
詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html
株式会社インターアローズ
インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。
インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。
戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。
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スマーフォンアプリ市場分析データ Airnow Data(旧Priori Data):https://www.airnowjapan.com/
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取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能。
先進のスマートフォン・アプリデータ「MIXRANK(ミックスランク)」:https://www.interarrows.com/mixrank.html
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