コロナ禍による第1回目の緊急事態宣言が発出されたのが昨年の4月。その後もコロナ禍を乗り切ることができず、現在東京は第4回目の緊急事態宣言下にあります。このコロナ禍による「不要不急の外出自粛」「飲食店の時短営業」等の規制は、当然私たちのライフスタイルに変化をもたらし、アプリビジネスにおいても新しい現象が起こっています。
その一つが「フードデリバリー」アプリ利用者の急増です。コロナ禍による「巣ごもり需要拡大」の影響で、第1回目の緊急事態宣言発出後、急速に「フードデリバリー」アプリの利用が増大し、現在でもユーザー数が拡大しつつあります。
今回のレポートでは、この「フードデリバリー」アプリにフォーカスし、デリバリーのみの専門サービスと、ショップによるデリバリーサービスの2つに分け、各カテゴリ、どのアプリの利用者が増加しているのか、どれくらいのダウンロード数、アクティブユーザー数となっているのかを、最新のデータを使ってレポートします。
まず現状を把握するために、下記Figure 1は、本年に入ってから7月19日までの国内Apple App Store「フード&ドリンク」カテゴリのダウンロード数ランキングトップ10アプリを示したものです。
過去このカテゴリでは、食品、飲料関連のクーポンアプリが上位を占めるのが常でしたが、最新データでは、1位が「Uber Eats」、2位が「出前館」でいずれも「フードデリバリー」が占め、9位にも「menu」がランクインしています。
他アプリでは、クーポン系アプリが3位の「MacDonald’s Japan」、5位の「Coke On」、6位の「ケンタッキーフライドチキン」、レシピ系が4位の「クラシル」、来店予約系が7位の「スシロー」、8位の「くら寿司」、10位の「はま寿司」となっています。
Figure 1
国内Apple App Store
2021年1月1日-7月19日
フード&ドリンク カテゴリ/ダウンロード数トップ10アプリ
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – July 19 2021, Japan
次にフードデリバリー主要アプリの過去からの月間ダウンロー数の推移を見てみましょう。
まずこのカテゴリでは「Uber Eats」と「出前館」が他アプリを大きく引き離し、2大アプリとなっていることが分かります。またトップの「Uber Eats」の過去からのトレンドを見てみると、アプリリリースから徐々にダウンロード数を増加させていますが、急増の要因となったのは、やはりコロナ禍による緊急事態宣言と言えます。宣言が発出された2020年4月には、月間120万に迫るダウンロード数で一挙にユーザー数を拡大させたと推察できます。また「Uber Eats」に追随するかたちで、「出前館」がその後ダウンロード数を急増させ、本年1月と2月には「Uber Eats」を大幅に上回るダウンロード数を記録しています。
Figure 2:
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1, 2018 – June 30, 2021, Japan
次に「Uber Eats」と「出前館」のMAU(月間アクティブユーザー数)の推移を見てみると、いかにこの2つのブランドがフードデリバリーのリーディングアプリとなってユーザーを増加させ、またその要因がコロナ禍であったのかが理解できます。
この2ブランドの過去からのMAUの推移では、緊急事態宣言が発出された2021年4月からアクティブユーザーが急増していることが分かります。特に「Uber Eats」はダウンロード数の急増と同時にアクティブユーザー数を一挙に増加させています。興味深いのは「出前館」で、緊急事態宣言発出直後は、「Uber Eats」に比較するとアクティブユーザー数の伸びは緩やかですが、その後急激に増加させ、本年5月には「Uber Eats」に迫る勢いになっています。コロナ禍の長期化に伴い、フードデリバリーアプリの利用は今後も継続して増加、維持されて行くと思われます。
Figure 3:
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1, 2018 – June 30, 2021, Japan
次にフードデリバリー専用アプリでなく、フードショップが提供するデリバリーアプリのダウンロード数の推移を見てみましょう。ダウンロード数は、フードデリバリー専用アプリに比較すれば半分以下となりますが、やはり第1回目の緊急事態宣言後に増加していることが分かります。上位に来ているアプリでは「McDelivery Japan」がトップで、これに宅配ピザの「Domino’s App」「ピザハット公式アプリ」が他をリードしています。
Figure 4:
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1, 2018 – June 30, 2021, Japan
最後にこれらのアプリのMAUの推移を見ると、「宅配寿司 銀のさら」を除いて、全てのアプリが第1回目の緊急事態宣言発出後ユーザー数を急増させていることが分かります。ユーザー数増加が顕著なのは「ビザハット公式アプリ」で、TVスポット、販売メニュー等によってユーザー数が大幅に変動する「McDeivery Japan」と比較して、多少の増減はありますが、着実にユーザー数を増加させています。また他ピザ宅配アプリも第1回目の緊急事態宣言発出後、ユーザー数増加傾向で推移しています。
Figure 5:
Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1, 2018 – June 30, 2021, Japan
弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回のレポートでは、このMIXRANKのデータを使用して、上記トピックスで取り上げたフードデリバリーアプリiOS版「出前館」を取り上げ、このアプリが現在どのようなSDKを採用しているのかをレポートします。
下記Figure 6が、2021年7月13日のアップデートの際での「出前館」アプリが採用しているSDKの一覧となります。「出前館」アプリの特徴としては、基本各分野Appleが提供しているSDKとFirebase系のSDKを併用していますが、Amazonが提供しているAWS系のSDKは、2021年6月15日のアップデート際に削除しています。また分析系ではAdjustを採用していますが、2021年7月13日のアップデートの際に「KarteCore」と「KarteInAppMessaging」を追加し、CXの向上を図っていることが推察できます。
Figure 6:
2021年6月10日
iOS版「出前館」アプリ採用SDK一覧
Source : MIXRANK社調べ
Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Data(旧PrioriData)は、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。
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米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。
詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html
株式会社インターアローズ
インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。
インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。
戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。
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スマーフォンアプリ市場分析データ Airnow Data(旧Priori Data):https://www.airnowjapan.com/
★世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。
取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能。
先進のスマートフォン・アプリデータ「MIXRANK(ミックスランク)」:https://www.interarrows.com/mixrank.html
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