Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート 2021年10月号

Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート
2021年10月号

国内Apple App Store
最新売上金額トップ10アプリ

長引くコロナ禍の影響で感染拡大地域に4度目の「緊急事態宣言」の発令、その対策としてワクチン接種の推進、西日本を中心とした長雨、「東京オリンピック・パラリンピック」の開催等と、今まで経験したことがなかった事が立て続きに起こっています。またこれに合わせてアプリも敏感に反応し、コロナ禍の「巣ごもり需要」に合致したアプリ、ワクチン関連アプリ、長雨・災害対策アプリ、防災・安否確認アプリ、「東京オリンピック・パラリンピック」をテレビ観戦するためのアプリの利用が増加しました。

しかしながらこのような状況下、ダウンロード数ではなく売上金額で見た場合、本年どんなアプリが収益を上げて、ビジネスを拡大しているのでしょうか?それはどのカテゴリーのどのようなアプリで、どれくらいの売上金額となっているのでしょうか?

今回は、国内Apple App Storeの本年1月1日から最新データ(9月13日)を使用し、このような状況下の中で売上金額を増加させているトップ10アプリをピックアップしその特徴をレポートします。

まずFigure 1は、国内Apple App Store、本年1月1日から9月13日までの、売上金額トップ10アプリをピックアップしたものです。その特徴として、カテゴリではトップ10アプリ中8アプリがゲームで、残りの2アプリがコミックアプリとなっています。売上金額では、やはりユーザーはエンターテイメント系アプリにお金を払っており、トップはゲームとなっています。

 

Figure 1:
国内Apple App Store
2021年1月1日-9月13日
売上金額トップ10アプリ

Figure 1

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – September 13, 2021, Japan

 

ゲームで特徴的なのは、まず本年2月21日Cygames社よりリリースされた新作アプリ「ウマ娘プリティーダービー」が大ブレイクした点です。その売上金額は、2位「モンスターストライク」の2倍に迫る金額となっています。 また他のアプリは、10位にランクインした「Genshin Impact(邦題「原神」)を除いて、全て2017年以前にリリースされたメガヒットアプリであることがわかります。但し、その売上規模は減少傾向にあり、「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」「Fate/Grand Order」「荒野行動」は前期間から大幅に減少しています。 2021年のゲームアプリの市場では、「ウマ娘プリティーダービー」が、過去長年に渡り上位を独占してきた「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」「Fate/Grand Order」等の牙城を崩した新たな年と言えそうです。

コミックアプリに関しては、昨年からのコロナ禍による「巣ごもり需要」拡大の影響で、「ピッコマ」が着実に売上金額を増加させています。今回のランキングでは3位に入っていますが、前期間からの増加率では127.5%と売上金額トップ10アプリの中では最大の増加率を記録しています。

 

Figure 2:

Figure 2

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, January 1 – September 13, 2021, Japan

 

次に、各アプリの12ヶ月以前からの月間売上金額の推移を見てみましょう。「ウマ娘プリティーダービー」がリリースされる前までは、やはり「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」「Fate/Grand Order」が時期によって上下しながらも上位を独占して推移してきたことが分かります。そのトップの売上金額規模は月間2,000万ドル(約21億円)から2,500万ドル(約27億円)です。しかしながら、2021年2月に「ウマ娘プリティーダービー」がリリースされた翌月3月の売上金額は4,000万ドル(約44億円)超え、4月には4,500万ドル(約49億円)に迫る売上となり、2位「モンスターストライク」の約3倍の驚異的な数値となっています。但し、その後売上金額は減少し、8月には6周年記念イベント・キャンペーンで売上を急増させた「Fate/Grand Order」に1位の座を奪われました。

 

Figure 3:

Figure 3

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, August 1, 2020 – August 31, 2021, Japan

 

次にこれらのアプリのMAU(月間アクティブユーザー)の推移を見てみましょう。特徴的なのは、カテゴリで比較した場合、アクティブユーザー数が多いのはゲームではなくコミックとなっている点です。トップは「ピッコマ」、2位は「LINEマンガ」とコミックアプリが上位2位までを独占しています。ゲームでアクティブユーザー数トップは「モンスターストライク」。本年8月時点では、これに「荒野行動」「Pokemon Go」が続きます。興味深いのは売上金額トップの「ウマ娘プリティーダービー」のアクティブユーザー数はそれほど多くなく、その数は「モンスターストライク」の半分程度となっています。

 

Figure 4:

Figure 4

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, August 1, 2020 – August 31, 2021, Japan

 

「ウマ娘プリティーダービー」を考察した場合、アクティブユーザー数がそれほど多くないにも関わらず、売上金額が非常に高ければ、当然一人当たりの課金金額が非常に高いことが想定できます。Figure 5は各アプリのARPDAU(1日のアクティブユーザーの平均課金金額)の推移を示したものであり、これを明確に裏付けています。

他のアプリのAPRDAUは、月間10ドル(約1,100円)以下で推移していますが、「ウマ娘プリティーダービー」はリリース時84ドル(約9,200円)と驚異的な数字となっています。これは一部の熱狂的なファンが高額な課金アイテムを一気に購入したことが想定できます。規模はかなり縮小されますが、同じことが2020年9月にリリースされた「Genshin Impact(原神)」にも起こっています。

「ウマ娘プリティーダービー」は、本年のビッグヒットアプリと言っていいでしょう。長年売上の上位を独占してきたスーパーアプリの牙城を打ち破り、新たなゲームアプリの時代を築いています。ただ問題は今後の展開だと思われます。すでにAPRDAUは急激に減少しており、アクティブユーザー数の増加も鈍化し、結果的に売上が減少傾向にあります。今回のビッグヒットが一過性に終わらせないために、今後どのような施策を展開して行くのか?今後もこのアプリをウォッチし、定期的にレポートしています。

 

Figure 5

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, August 1, 2020 – August 31, 2021, Japan

 

スクリーンショット

スクリーンショット
 
 

iOS版「モンスターストライク」アプリ 使用SDK一覧

弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。このMIXRANKのデータを使用して、上記トピックスで取り上げたiOS版「モンスターストライク」を取り上げ、このアプリが現在どのようなSDKを採用しているのかをレポートします。

下記Figure 5が、現在「モンスターストライク」アプリが採用しているSDKの一覧となります。「モンスターストライク」アプリの特徴としては、まずすでに採用SDK内容を固定しているのか、2020年4月27日のアップデートからSDKの新規採用、削除は行っていません。基本、各分野Appleが提供しているSDKとFirebase系のSDKを併用していますが、他の独立系SDKも多用しています。その主なSDKとしては、アプリ開発では「Cocos2dx」、クラッシュ分析では「Crashlytics」、CDNでは「AKAMAI」、広告関連では「Nend」「ironSource」「Admob」「iAD Framework」「Mopub」「Unity Ads」、広告分析では「Appsflyer」等が挙げられます。

 

Figure 6

Source : MIXRANK社調べ

 
 
 
 
Airnow

Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Data(旧PrioriData)は、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://www.airnowjapan.com/

 
 
MixRank

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 
 
インターアローズ

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。 戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 
 

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★アプリの利用状況を動画、タッチヒートマップで分析!さらにマシーンラーニング技術を活用して人間では気づかないアプリUXの問題点を自動検出。
次世代のアプリUX分析ツール「UXCam(ユーエックスカム)」:https://uxcamjapan.com/

★全世界55カ国のApple App Store、Google Playでランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データをご提供!
スマーフォンアプリ市場分析データ Airnow Data(旧Priori Data):https://www.airnowjapan.com/

★世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。
取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能。
先進のスマートフォン・アプリデータ「MIXRANK(ミックスランク)」:https://www.interarrows.com/mixrank.html

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