Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート
2022年4月号

米国Apple App Store

2021年日本アプリ・パブリッシャー

売上金額・ダウンロードランキング

 

今回のレポートは日本ではなく、Apple App Storeでは世界最大の市場規模を誇る米国にフォーカスし、2021年での日本のアプリとパブリッシャーのパフォーマンス結果をレポートします。具体的には、2021年米国Apple App Storeでの日本アプリの売上金額・ダウンロード数ランキング、さらにパブリッシャー別で見た売上金額・ダウンロード数ランキングを紹介した上で、米国では昨年どの日本のアプリに人気があったのか、どのパブリッシャーが米国で売上を増加させ、減少させたのかなどです。

まず2021年米国Apple App Storeでの、日本アプリとパブリッシャーの実績を総括してみると、米国は日本にパブリッシャーにとって、まだまだ成功が難しいマーケットでした。Figure 1は、2021年米国Apple App Storeでの日本のアプリ売上金額トップ10をピックアップしたものです。その特徴としては、まずアプリのカテゴリはゲームのみで、その大半は過去にリリースされた「ドラゴンボール」「Fate」「遊戯王」「マリオ」「ポケモン」等の日本を代表する強力なアニメ・ゲームのIPを持ったものとなっている点です。反面、新作アプリは皆無で、昨年は唯一ポノス社の「The Battle Cats」(邦題「にゃんこ大戦争」)が、オリジナルのアプリとして日本アプリのランキングでは7位に入っています。現状米国で売上を上げられるのは、未だ強力なIPを持ったゲームアプリのみと言えます。

売上金額的には、トップの「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE(邦題:ドラゴンボールZ ドッカンバトル)」で約2,500万ドル(約28億円)、10位の「FFBE WAR OF VISIONS(邦題:ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦)」で約300万ドル(約3億5,000万円)の範囲ですが、トップ10中5アプリが前年割れの結果となっています。売上減トップは「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」。逆に前年から最大の売上増を記録したのは「The Battle Cats」となっています。

さらに日本アプリだけではなく、米国全体の売上金額ランキングを見た場合には、日本アプリのトップ「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」は全米では57位、日本アプリ10位の「FFBE WAR OF VISIONS」では481位と、完全に上位ランキング外にランクされていることがわかります。

 

Figure 1 :

米国Apple App Store

2021年1月1日-12月31日(1年間)

日本アプリ・売上金額ランキング

(Source : Airnow Data, Apple App Store, January 1 – December 31, 2021, US)

 

次に米国Apple App Store売上金額トップ10日本アプリの過去2年間の売上金額の推移を調べてみると、やはり過去からドラゴンボール・ブランドの「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」と「DRAGON BALL LEGENDS(邦題:ドラゴンボール レジェンズ)」が、米国市場では日本のアプリのトップをリードしてきたことがわかります。特に「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」は、2019年7月にAndroid版でゲーム総合売上金額ランキング1位、iOS版でも3位になった実績もあります。その後はイベント等のプロモーション活動で売上金額を維持していますが、トレンド的には減少傾向にあります。

 

Figure 2 :

(Source : Airnow Data, Apple App Store, March 1 2020 – February, 2022, US)

 

次に2021年米国Apple App Storeにおける、日本のパブリッシャーの売上金額ランキングトップ10をピックアップしたものがFigure 3となります。これによれば、日本のパブリッシャーで米国で最大の売上を上げているのはバンダイナムコで、その売上金額は任天堂の2倍以上、国内大手ゲームパブリッシャーであるスクエア・エニックス、コナミも大きく引き離しています。但し、米国全体でのランキングでは35位で、米国市場における日本アプリの難しさを物語っています。

また大手ゲームパブリッシャーを除いて、売上金額で米国で健闘している日本の他パブリッシャーとしては、「The Battle Cats」のポノス社、アニメ「BLEACH」のゲームが好調なKLAB社、多数の女性向け恋愛ゲームをリリースしているNTTソルマーレ社が挙げられます。

 

Figure 3 :

米国Apple App Store

2021年1月1日-12月31日(1年間)

日本パブリッシャー・売上金額ランキング

           (Source : Airnow Data, Apple App Store, January 1 – December 31, 2021, US)

 

次に売上金額同様、2021年米国Apple App Storeにおける、日本アプリのダウンロード数ランキングを見てみましょう。ダウンロード数に関して日本アプリは、売上金額以上に厳しい状況になっています。日本アプリトップは任天堂の「Mario Kart Tour」ですが、その米国全体でのダウンロードランキングは111位と、100位圏外となっています。逆に日本のゲームアプリが低迷している関係で、日本アプリダウンロード数3位にはフリマアプリの「Mercari(邦題:メルカリ)」、4位にはペイントアプリの「ibis Paint X(邦題:アイビスペイントX)」がランクインしています。

米国における日本アプリのダウンロード数に関しては、国内でハイパーカジュアルゲームの草分け的存在であったGeisha Tokyo社が、2018年「snowball.io」、2019年「Traffic Run!」で無料アプリダウンロード数で全米No.1となり、また2019年にはKAYAC社も「Park Master」で全米No.1を獲得しています。しかしながら、2021年、Geisha Tokyo社は新作「Fidget Toy Maker」をリリースしましたが、2021年全米のダウンロードランキングは394位、KAYAC社も新作「Ball Run 2048」をリリースしましたが、こちらも288位にとどまっています。

 

Figure 4 :

米国Apple App Store

2021年1月1日-12月31日(1年間)

日本アプリ・ダウンロード数ランキング

(Source : Airnow Data, Apple App Store, January 1 – December 31, 2021, US)

次に米国Apple App Storeダウンロード数トップ10日本アプリの過去2年間の売上金額の推移を調べてみると、昨年の2021年には突出してダウンロード数が急増したアプりがあることがわかります。その一つは2021年9月にThe Pokemon Company社からリリースされた「Pokemon UNITE」。人気ブランドの新作とあってリリース月には180万に迫るダウンロード数を記録しています。また同月にリリースされたGeisha Tokyos社の「Fidget Toy Maker」もピーク時には月間100万を超えるダウンロード数となっています。しかしながら、両アプリのダウンロード数の増加は長続きせず、双方ともリリース3ヶ月後には、月間30万を下回るダウンロード数に減少しています。

 

Figure 5 :

(Source : Airnow Data, Apple App Store, March 1 2020 – February 28, 2022, USA)

 

最後に、2021年米国Apple App Storeでの日本のパブリッシャーのダウンロード数ランキングを見てみましょう。トップは任天堂ですが、全米でのランキングは76位と50位以下となっています。この任天堂にハイパーカジュアルゲームのGeisha Tokyo社、KAYAC社、大手ゲームパブリッシャーのSEGAが続いています。ただこの上位4社は全て前年を大きく下回る結果となっています。

ダウンロード数ランキングで興味深いのは、9位にGOODROID社がランクインしている点です。この結果をもたらしたアプリは、2021年5月にリリースした「Muscle Race 3D」と言うアクション/レースゲームで、昨年7ヶ月間で100万を超えるダウンロード数を記録しています。

 

Figure 6 :

米国Apple App Store

2021年1月1日-12月31日(1年間)

日本パブリッシャー・ダウンロード数ランキング

(Source : Airnow Data, Apple App Store, January 1 – December 31, 2021, US)

 

 

 

 

 

米国iOS版「Dragon Ball Z Dokkan Battle」アプリ 使用SDK一覧


弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回はこのMIXRANKのデータを使用して、上記トピックスで紹介した米国iOS版ゲームアプリ「Dragon Ball Z Dokkan Battle(邦題:ドラゴンボールZ ドッカンバトル」を取り上げ、このアプリが現在どのようなSDKを採用しているのかをレポートします。

下記Figure 7が、現在米国iOS版「Dragon Ball Z Dokkan Battle」アプリが採用しているSDKの一覧となります。「Dragon Ball Z Dokkan Battle」アプリの特徴としては、基本各分野、Appleが提供しているSDK(下記「グレー」のSDK)とGoogleが提供しているFirebase系のSDK(下記「黄色」のSDK)を併用していることが分かります。他アプリに比較して、採用しているSDK数は少なく、必要最低限なものを選定しているように思われます。他の特徴としては、アプリ開発においてゲームアプリによく採用される「Cocos2 dx」、広告分析に「Adjust」、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)にAkamaiを採用していることが挙げられます。

Figure 7 :

米国Apple App Store

「Dragon Ball Dokkan Battle」

採用SDK一覧

(Source : MIXRANK)

 


お知らせ:

「Airnow Data」データパートナー・プログラムに是非ご参加下さい

特別限定特典をご用意しております

 

アプリストアデータ「Airnow Data」では、よりデータ精度の高いアプリストアデータをユーザーの方々ご提供させていただく目的で、アプリパブリッシャー様を対象に「Airnow Data」データパートナーを募集することになりました。つきましては、下記をご参照の上、是非ご参加いただけますようお願い申し上げます。

 

データパートナープログラム概要:

■ Airnow Data」のデータ精度をさらに向上させるため、貴社のダウンロード数と売上金額データを共有させていただき、その対価として、データパートナー様限定の特典をご提供させていただくプログラムです。

■ このプログラムには現在、世界1,500社以上のアプリパブリッシャーの方々にご参加いただき、パートナーアプリ数は20,000製品を超えています。パートナーには「Universal Music Group」「Renault」「SimilarWeb」「inMobi」「KKBOX」等の業界をリードする企業様にもご参加いただいております。

■ 貴社からご提供されるデータは、「Airnow Data」の推定値算出アルゴリズムの精度を高めるためのみに使われます、データの販売、共有、解析、第三者に公開されることは決してございません。

 

データパートナー特典:

■ ご提供いただくアプリ数やアプリ内容にもよりますが、データパートナー様限定の特典をご提供させていただきます。詳しくは下記担当者までお問い合わせ下さい。

■ 貴社のデータをご提供いただくことは、結果として、貴社カテゴリのデータ精度が上がることになり、貴社はより精度の高いデータを、より低価格で入手することができます。

 

データパートナー参加方法:

■ ご参加は「Airnow Data」の専用ページから、30秒以内でご登録できます。またこのご登録にはSDKやコードをインストールする必要もございません。

■ 具体的には、「Apple Itunes Connect」「Google Play Account」内に、新規ユーザーとして貴社専用の弊社メールアドレスを追加していただくだけです。貴社のパスワードを共有させていただくことはございません。これだけで「Airnow Data」のデータパートナーに参加できます。

 

詳細は下記担当者までお問い合わせ下さい。是非「Airnow Data」データパートナー・プログラムにご参加いただけますようお願い申し上げます。

 

担当者:髙橋治彦

Email : takahashi@airnowjapan.com

 


Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Dataは、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://www.airnowjapan.com/

 

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。 戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

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