Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート
2021年11月号

海外市場アップデート

現在日本のパブリッシャーにとって最も魅力的な海外市場は?


近年、日本のパブリッシャーの海外での売上が停滞しています。日本は中国、アメリカに次ぐ世界第3位のスマートフォンアプリの市場となっていますが、その大半は国内向けのアプリであり、再度、日本アプリのガラパゴス化が叫ばれています。

そこで今回は、海外市場を別の角度から分析し、日本のパブリッシャーにとって現在、どの市場が売上を見込むことができるのかを分析してみました。具体的には、各国のアプリ市場をその国全体の市場規模ではなく、日本のアプリのみの売上金額(上位250位まで)を算出することによって、どの国が日本アプリにとって売上金額が高いのかをランキング化してみました。さらにプラットフォームもApple App StoreとGoogle Playに分け、現在どの国のどのプラットフォームが、日本のパブリッシャーにとって魅力的なのか、またそのような市場の中でどのパブリッシャー、どのアプリが売上を上げているのかをレポートします。

 

Figure 1は、本年Q3(7月-9月)、海外主要国において上位250位までの日本のアプリの売上合計をランキングしたものです。またプラットフォームもAppleとGoogleとに分けています。

この結果から分かることは、まずプラットフォームに関して日本のアプリは、海外では日本とは異なり、iOS版よりAndroid版の売上が高いことが分かります。日本のアプリにとって海外最大市場である米国においては、Android版の売上はiOS版の2倍以上の売上金額となっています。

 

日本アプリにとって海外市場規模ランキング第1位は、米国のGoogle Play。米国は日本のアプリにとって、最大の海外市場となっており、米国のApple App Storeも第3位となっています。しかしながら、このランキングで驚きなのは、第2位にはインドのGoogle Play、第4位にはインドネシアのGoogle Playがランクインしている点です。インド、インドネシアと言えば、確かに人口が多い国ですが、過去においてはダウンロード数は膨大だが、アプリにはお金を払わないのが通説でした。ただこの結果からは、すでにこの状況は変化していることが推察されます。

 

Figure 1:

                                                            Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

次にこのような国において、日本のどのパブリッシャー、どのアプリが売上を上げているのか見てみましょう。まずトップ市場の米国Google Playですが、上位は国内と同様で大手のゲームパブリッシャーがランクインしています。ランキングで興味深いのは、KLab社が第6位、NTT Solmare社が8位、Good Smile Company社が10位にランクインしている点です。

 

Figure 2

米国Google Play

トップ10日本パブリッシャー

Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

次に上位5社の主要アプリを見てみると、その大半が国内アニメの強力なIPを持ったゲームであることが分かります。やはり米国においては、すでにブランドとして確立している日本の人気アニメをベースとしたゲームが成功することを示唆しています。

Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

次に日本のパブリッシャーにとって第2位の市場規模であるインドのGoogle Playを見てみましょう。トップは国内大手ゲームパブリッシャーのSquare Enix社となっていますが、第2位はKEMCO社、第3位は日本一ソフトウエア社、第4位はKairosoft社、第5位はUNBALANCE社と、通常国内の売上金額ランキングでは上位にランクされていないパブリッシャーが占めています。

 

Figure 3 :

インドGoogle Play

トップ10日本パブリッシャー

Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

インドにおけるこれらのパブリッシャーのアプリの特徴としては、まずKEMCO社とKairosoft社は過去から40製品を超えるアプリをインドでリリースしており、個々のアプリの売上金額は決して多くはないものの、総計した場合には3ヶ月で100万ドル以上(1億1,300万円以上)の売上を達成していることが分かります。大ヒットを狙うと言うより、中規模ヒットのアプリを量産することによって売上金額を増加させています。

Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

最後に、もう一つの注目市場であるインドネシアのGoogle Playを見てみましょう。インドネシアにおいてもインドと同様な現状が起きています。パブリッシャートップは、インド同様Square Enix社となっていますが、それに続くパブリッシャーも、KEMCO社、Kairosoft社、日本一ソフトウェア社、UNBALANCE社となっています。驚きなのはKEMCO社です。インドネシアにおいても本年Q3(7月-9月)において500万ドルを超える売上を達成しており、その金額は前期間(本年4月-6月)と比較した場合、Square Exix社を超える300万ドルに迫る売上増となっています。

 

Figure 4 :

インドネシアGoogle Play

トップ10日本パブリッシャー

Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

インドネシアにおいても、各パブリッシャーの主要アプリはインドと同様です。KEMCO社とKairosoft社はアプリ数で売上を確保しています。その他日本一ソフトウェア社はシュミレーションゲーム「Disgaea 1 Complete」、UNBALANCE社は碁ゲーム「CrazyStone DeepLearning Pro」を中心にインドネシアで売上を増加させています。

Source : Airnow社Airnow Data, July – September 2021, Japan

 

過去、日本のパブリッシャーは、まずは米国、その他中国、台湾、韓国、ヨーロッパ等を海外市場のターゲットにしてきたと思われます。しかしながら現在、市場は急速に変化しています。今回レポートしたインド、インドネシアは、過去ダウンロード数は膨大でも、課金までは進まないと認識されていました。今後はこのような新規市場にも注目し、この市場で成功するための施策を展開し、日本のパブリッシャーの海外市場での売上増を達成することが肝要かと思われます。

 

 

 

iOS版「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」アプリ 使用SDK一覧


弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。このMIXRANKのデータを使用して、上記トピックスでも紹介した米国で人気を博しているSquare Enix社の「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」を取り上げ、このアプリが現在どのようなSDKを採用しているのかをレポートします。

下記Figure 5が、現在「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」アプリが採用しているSDKの一覧となります。「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」アプリの特徴としては、基本各分野Appleが提供しているSDKとFirebase系のSDKを併用していますが、他の独立系SDKも多用しています。その主なSDKとしては、アプリ開発では「Cocos2dx」、分析系では広告分析の「Appsflyer」、ユーザー行動分析の「Amplitude」、広告関連では「ironSource」「Admob」「iAD Framework」「KKAds」「Unity Ads」「Facebook Ads」「Tapjoy」等が挙げられます。

 

Figure 5 :

「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」

採用SDK一覧

Source : MIXRANK, October 21, 2021


Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Data(旧PrioriData)は、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://www.airnowjapan.com/

 

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。 戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 

 


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スマーフォンアプリ市場分析データ Airnow Data:https://www.airnowjapan.com/

 

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