Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート
2022年7月号

最新アジア&中東地域

国別スマートフォンアプリ市場規模

 

近年、グローバル視点からスマートフォンアプリ市場を見た場合、中東地域を含めたアジア市場が著しい伸びを示しています。アジア地域で最大のスマートフォンアプリ市場である中国は、すでに米国、日本を追い抜き世界最大の市場となっており、今後も市場拡大が見込まれています。ではその他のアジア&中東の国はどうなのでしょうか?今回のレポートは、中国と日本を除いたアジア&中東の国々にフォーカスし、各国の市場規模はどのくらいになっているのか?、どの国の市場規模が拡大しているのか、拡大している市場ではどのようなアプリが上位にきているかをレポートします。

下記Figure 1は、アジア&中東地域において、中国と日本を除いた2021年スマートフォンアプリの年間売上トップ10の国を示したものです。この市場で特徴的なのは、Google Play(Android)の市場がApple App Store(iPhone)の市場を大きく上回る点が挙げられます。その主な理由は、中東&アジア地域においてはiPhoneの価格が一般の人々には高すぎるため、結果として安価なAndroid端末にユーザーが集中していることが挙げられます。

この地域で2021年の売上金額トップの国はインド。その市場規模は26億ドル(約2,860億円)になっており、それにトルコが20億ドル(約2,200億円)、台湾が19億ドル(約2,090億円)で続いています。今回ピックアップした国の中でインドがトップになっている理由は、13億を超える人口とスマートフォン端末普及の拡大、さらに通信費の軽減によって、よりスマートフォンアプリにお金を払うようになったと言われています。またインド市場を日本市場と比較すれば、その市場規模は日本のまだ1/3以下ですが、今回のトップ10の国を合算した市場規模は、日本の2.3倍の規模まで拡大しています。

 

Figure 1 :

(Source : Airnow Data, January 1 – December 31, 2021, Asia & Middle East)

 

次に2021年の市場規模を2020年と比較し、どの国の市場が拡大しているのか見てみましょう。Figure 2は上記10ヶ国の2020年からの売上金額の増減(実数)をプラットフォーム別に比較したものです。最大の売上増を達成したのはトルコ。2020年から6.2億ドル(約690億円)売上金額を増加させています。またこれにベトナムが増加額5.5億ドル(約605億円)で、タイが5.2億ドル(約572億円)で続いています。

逆に2020年に比較して最大の減少を記録したのは、この10ヶ国の中では最大の市場規模を誇るインド。その減少額はAndroidアプリで-9.6億ドル(-1,056億円)となっており、また韓国、台湾が2020年に比較して売上を減少させています。

 

Figure 2 : 

(Source : Airnow Data, January 1, 2020 – December 31, 2022, Asia and Middle East)

 

次に今年に入ってからの最新データではどのようになっているのでしょうか?Figure 3は、本年1月から6月までの市場規模(売上金額)上位10カ国をピックアップしたものです。2021年と比較して、トップはインド、2位はトルコと変化はありませんが、3位にはタイ(2021年では台湾)、4位にはベトナム(2021年ではインドネシア)がランクアップしています。

 

Figure 3 :

(Source : Airnow Data, January 1 – June 30, 2022, Asia & Middle East)

 

さらに詳細を確認するため、昨年9月から12月までの半年間の売上金額と本年1月から6月の半年間の売上を比較すると、ベトナムが最大の売上増を達成していることが分かります。その増加額は6ヶ月間で4.6億ドル(約506億円)、これにタイが4.0億(約448億円)、インドが3.9億ドル(約429億円)で続きます。逆にこの期間に売上を減少させたのは、シンガポール、韓国、香港、台湾が挙げられます。

 

Figure 4 : 

(Source : Airnow Data, September  2021 – June 30, 2022, Asia & Middle East)

 

最後に市場が拡大している国ではどのようなアプリに人気が集まっているのでしょうか? Figure 5は、2021年インドにおける年間アプリ売上金額ランキングトップ10をピックアップしたものです。

インドの人気アプリを要約すると最大のカテゴリはゲームで、トップ10中6アプリはゲームとなっています。またゲームのジャンルでは「Garena Free Fire」「Call of Duty」「Battlegrounds Mobile India」等のバトルロワイヤル系のシューティングゲームが上位を占めています。特にトップの「Gerena Free Fire」の売上金額は圧倒的で、年間で5,200万ドルを超え、2位「Chamet」の2.8倍以上の売上金額となっています。

その他の人気カテゴリーは「Chamet」「Tango」等のライブストリーム&チャット系のSNS、携帯電話ストレージの「Google One」、出会い系・マッチングの「Tinder」がトップ10内にランクインしています。

 

Figure 5 :

インド 

2021年売上金額トップ10アプリ

(Source : Airnow Data, January – December 2021, India)

 

また同様にトルコの売上トップ10アプリをピックアップしたのがFigure 6となります。トルコで特徴的なのは、2021年はトルコでも「TikTok」のブームが起こったようで、売上金額でも「TikTok」がトップになっている点です。インドでは「TikTok」は、売上ランキングTop10にはランクインしていません。

しかしながら、その他についてはインドと同じ傾向があり、やはり人気カテゴリはゲームで、トップ10中6アプリはゲーム。さらに「PUBG Mobile」「Garena Free Fire」等のシューティングゲームが上位にランクされています。またライブビデオチャット・アプリも人気で「Azar」が4位、「LivU」が5位、「Tango」が9位にランクインしています。

過去アジア・中東地域は、ダウンロード数は多いが、課金比率が低い地域として認識されてきました。しかし状況は変化しているようです。今後は日本のパブリッシャーの方々も国内市場のみではなく、現在市場が拡大しつつあるアジア&中東地域もターゲットし、グローバル視点で売上の拡大を図っていくことが重要になってくると思われます。

 

Figure 6: 

トルコ

2021年売上金額トップ10アプリ

(Source : Airnow Data, January – December, 2021, Turkey)

 

 

 

 

 

 

Android版「Garena Free Fire:Rampage」&「PUBG Mobile」アプリ 使用SDK一覧


弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回はこのMIXRANKのデータを使用して、上記トピックスで紹介したAndroid版アプリ「Garena Free Fire : Rampage」(以下「GFF」)と「PUBG Mobile」(以下「PUBG」)を取り上げ、このアプリが現在どのようなSDKを採用しているのかをレポートします。

下記Figure 7が、両アプリが現在採用しているSDKの一覧となります。同じバトルロワイヤル系のゲームアプリありながら、採用SDKには大きな違いがあることが分かります。その違いを要約すると、まず採用しているSDK数が挙げられます。「GFF」の採用SDK総数が16なのに対して「PUBG」は51のSDKを採用しています。また各項目での主な違いを説明すると、ゲーム開発関連では、「GFF」は「Unity」を採用しているのに対して「PUBG」は「Unreal Game Engine」、分析系では「GFF」は「Appsflyer」に対して「PUBG」は「Google Analytics」、データベースでは、「GFF」は「Firebase」のみに対して「PUBG」は「Firebase」に加えて「Amazon AWS」を採用しています。同じゲームジャンルでありながらも、採用SDKに関しては各社独自の戦略に基づいて採用していることが分かります。

 

Figure 7 :

Android版「Garena Free Fire:Rampage」&「PUBG Mobile」

採用SDK一覧

(Source : MIXRANK)

 

 

 

 

 

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■ 貴社からご提供されるデータは、「Airnow Data」の推定値算出アルゴリズムの精度を高めるためのみに使われます、データの販売、共有、解析、第三者に公開されることは決してございません。

 

データパートナー特典:

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詳細は下記担当者までお問い合わせ下さい。是非「Airnow Data」データパートナー・プログラムにご参加いただけますようお願い申し上げます。

 

担当者:髙橋治彦

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Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Dataは、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

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米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

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