Airnow Data News 2020

アプリ市場データのエアナウデータ(旧プライオリデータ)2020年のニュースを当ページでお届けします。

米国モバイルアプリ市場の2021年展望


Airnow Dataブログより抜粋
2020年12月7日

アプリ業界においても、米国は最も魅力的な市場です。2020年の市場規模は369.2億USドル規模とされています。米国アプリ開発者とパブリッシャーは長らくアプリの技術革新を牽引してきた結果、FacebookやGoogleとその関連企業が世界中のアプリ市場を独占してきました。

しかし中国パワーの台頭により、米国のグローバールリーダーという地位は揺らぎつつあるのという声もあります。

米国アプリ市場の今
米国の国内アプリ市場は、275百万超のスマートフォンユーザーを有する、巨大な規模です。この10年から15年間に米国スマホ利用率は伸び続け、2020年には80%となりました。と共に、スマホからの収益も伸長し、年間収益は790億USドルです。

コロナ禍による外出制限とリモートワークの影響も、その伸び率を少々鈍らせたに過ぎません。 Forbes誌によると(https://www.forbes.com/sites/nicolefisher/2019/01/24/how-much-time-americans-spend-in-front-of-screens-will-terrify-you/?sh=70fdbf4c1c67)、このコロナ禍でかつてないほど米国人のモバイル利用時間が増えました。本年4月には、寝ている時間以外のおよそ4分の1がモバイル携帯によって消費されたといいます。この影響は収益にもドミノ的に波及しました。アプリ内課金も25%増収し、2020年前期の収益は500億ドルでした。

米国では、テレビよりも携帯を使って消費が行われています。このアプリが最近の成長株とするなら、ゲームは長らく脚光を浴びている市場です。

米国モバイルゲーム情報
アジア諸国がモバイルゲーム産業を独占しているとされてきました。しかし実際には、米国も想像以上に善戦しているようです。

2018年のモバイルゲーム人口は世界22億人程度でしたが、そのうち米国人は2億280万人(米国人口の半分強)を占めていました。そして現在の米国モバイルゲーム人口は2億1,300万人です。
世界的な傾向でもありますが、COVID-19感染拡大はモバイルゲームの利用を激増させました。特に、ハイパーカジュアルやパズル、シミュレーション、ライフスタイルなどのゲームジャンルがダウンロードされています。

米国のロックダウン時期において、米国モバイルゲーム市場は記録的な高収益でした。各州がロックダウンを緩和する直前の2020年5月の19億USドルがピークとなっています。

ハイパーカジュアルジャンルは、モバイルゲーム産業を牽引する存在と言えそうです。事実、2020年第二四半期に最も人気の高いゲームの上位5ブランドのうち3ゲームーーーRoblox, Candy Crush, Coin Masterが当ジャンルでした。簡単ながら中毒性のある面白さが人気の理由であり、幅広い年齢層が楽しめます。殆どのハイパーカジュアルゲームの収益源は広告収入ですから、この点を加味すると、ますます、これらの人気が傑出していることが分かります。

アプリ支出額
本年10月だけを分析してみても、Robloxは世界で9,200万USドルを稼ぎました。 Coin masterは世界で1,300USドル、8年間ロングヒットを続けるCandy Crush Saga は世界で7,000万USドルを記録しています。

上記ゲームの収益総額は、他のアプリ同様に、ほぼ全てが米国市場からです。2012年から2017年間における1人あたりのアプリ支出額の調査によると、第一位が日本人214ドル、次がオーストラリア人114ドル、そして米国人が92ドルで世界第3位の個人消費額となっています。

ライバルは中国
もちろん、米国だけがアプリ市場の急成長している国ではありません。中国のアプリ市場は4085万USドル相当と推測されているので、米国の3692万USドル以上に大きい規模となります。アジアのゲーム業界を調査する機関は(https://nikopartners.com/about/)、 中国のモバイルゲーム人口は、2019年に6億3710万人(すでに米国の全人口よりも多い)でしたが、2024年には7億3,700万人に増加すると予測します。
この予測が示すように、世界のアプリ市場において米国の覇権を脅かすのは中国であり、2国間のライバル関係がここでも繰り広げられているのです。

「次の10億人ユーザー」
どちらかの国が今後のアプリ市場をリードしていくであろうことは明らかなのですが、まだまだ先が見えていない点もあります。それは両国の技術開発競争であり、米露冷戦時の代理戦と似て、当事国以外において行われていると考えられます。つまり、米国や中国のテクノロジー企業は今後、新興国のアプリ市場をターゲットに開発していくのです。これがGoogleの提唱する「the next billion users (次の10億人ユーザー)」構想であり、世界の地政学的競争やテクノロジー勢力図の未来に大きな影響力を持っていくでしょう。
最初は小さな差異に見えるかもしれません。例えば、ブラジルの若い子がTiktok とInstagramのどちらを選ぼうとするのか、のようなマイクロコズムです。そしてこれが、超大国間の決定的な戦いへと発展していくのです。

2015年&2019年、中国 vs. 米国マーケットシェアTOP10  

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

ブラジルやインド、インドネシア、エジプト、メキシコ、ナイジェリアにおいて、米国と中国産アプリは激しく市場を争っています。上図は、各国のNon-Game(ゲームを除いた)アプリダウンロードTOP10 ランキング内のマーケットシェア(%)です。現時点では、米国産アプリが市場トップに見えますが、過去4年間の動きを見ると、中国産アプリが急成長しています。例えばブラジルでは、2015年には中国アプリ5.22%と米国アプリ74.25%でしたが、2019年には中国アプリは15.9%まで伸びています。こういった傾向は、他の新興国市場でも示されています。

2015年&2019年、インドNo-Gameアプリのダウンロード数Top10
ブラジルにおける中国産アプリの成功を特別なケースと思う方もいるかもしれません。しかし、米国産アプリの寡占状況に関し、次に、インド市場を分析してみると、更なる発見があるでしょう。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

2015年、インドのアプリ市場における中国のシェアは23.97%、米国のシェアは61.64%でした。しかし2019年には、驚くことに、中国企業が60.56%で米国企業は31.04%と逆転しています。

たった1カ国だけの数字と軽く思ってはいけません。何故なら、インド市場は巨大だからです。そして中国産アプリは、今や、ブラジルやインド、インドネシア、エジプト、メキシコ、ナイジェリアにおいて米国産アプリと互角のシェアなのです(米国49% vs 中国42%)。

米国アプリが強い理由のひとつは、「Facebook」が世界で一人勝ちしてきたことです。「Facebook」の4つのアプリ(WhatsApp, Messenger, Facebook とInstagram )は、実に、世界でダウンロードされる米国アプリTOP10の87%を占めます。

このように、米国産アプリは今も世界で最も存在感のある存在であり、特に、FacebookとGoogleの関連アプリは市場を独占しています。加えて、米国の平均的な消費者は他国に比べて突出した金額をアプリに消費しています。この2つの点からも、直ぐにも米国の優位性が損なわれることはないでしょう。

しかし、このリードは絶対的なものでは全くありません。中国はこれまで以上に、米国の肩越しから追い抜こうとするはずです。 

アプリ機能を随時強化
ドイツの新型コロナ感染者追跡アプリ

2020/11/30

ドイツの止まらない感染第三波
 新型コロナ感染者が1日2万人に激増するドイツ連邦共和国では今、かつてない国民の行動制限が施行され、飲食店の営業禁止を含む厳しいロックダウンをクリスマス直前まで続けます。本年4月の感染拡大第一波には、検査体制をいち早く完備して乗り切ったドイツ政府ですが、現在のウィルス第三波を抑え込む決め手に欠いているのが現状です。そのため、11月25日には、メルケル首相は「私たちは決して無力ではない」とドイツ国民へ向けてメッセージを送りました。そして、これら検査完備や行動制限だけでは感染抑止策は不足とし、新型コロナ感染者追跡アプリ「Corona-Warn-App(コロナ警告アプリ)」を強化し、更に普及させることを発表しました。

日本のCOCOAと同じ技術を搭載するCorona-warn-App
 このドイツの新型コロナ感染者アプリ「Corona-Warn-App(コロナ警告アプリ)」は、日本の新型コロナ感染者接触確認アプリ「COCOA―――COVID-19 Contact Confirming Application」と同様な仕組みです。

 Apple社とGoogle社が共同開発した技術が、スマートフォンのBluetoothが匿名ベースでロケーションデータを記録。感染者の感染が申告されると、過去14日間に接触したアプリダウンロード者へ感染者との接触の事実と検査を推奨するメッセージが届きます。しかし、中国などアジア諸国が開発するGPSによる行動追跡アプリとは異なり、あくまでも匿名ベース、かつ任意での導入・感染申告を前提とした仕組みで運営され、プライバシーを優先的に確保しています。

 日本の「COCOA」は厚生労働省が本年6月に公開しましたが、不具合の報告が相次ぎ、またPR不足も否めず、感染拡大抑止策として未だ大きな効果を出せていません。11月20日時点での日本国内ダウンロード率は16.08%に留まっています。

COCOA

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

一方、このドイツの新型コロナ感染者アプリ「Corona-Warn-App(コロナ警告アプリ)」は、本年6月17日に公開されました。日本人以上に人権意識や個人主義が発達したドイツ人の中には否定的な意見も多くあり、議論の的となってきました。

Corona-Warn-App(コロナ警告アプリ) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

それでも、ドイツ総人口8,300万人のうち25%以上が、既にアプリをダウンロード済みです。世界54カ国のアプリダウンロード数を解析するデータサービスAirnow Dataによると、6/17のアプリ公開直後、次に感染第二波、最後に第三波の開始時期の計3回ほどダウンロード数が増加した期間がありました(下図参照)。

Figure 1:
ドイツ「Corona-Warn-App」iOS & Androidアプリ
日別ダウンロード数推移(2020/6/17~11/25)
 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow Data(旧PrioriData)調べ
 
ドイツ政府は、国民の6割がダウンロードすると画期的に抑止効果が上がると試算しているようです。そして今後、更なるダウンロードを促すために、積極的に動いていく方針を固めました。11月25日に公開した更新バージョンでは、接触通知頻度を1日数回に増やし、迅速なアクションを促す機能を追加しました。また、検査機関で陽性となったアプリユーザーへはすぐに複数のメールを送信して、アプリへの感染データの共有を推奨します。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

更に、アプリを導入した人だけが今後使える、スポーツイベントなどで、並ばずに入場できるファストトラック券などのインセンティブも検討されています。検査体制やロックダウンだけでは第三波の感染拡大を止められないドイツ政府が、この接触者確認アプリに大きな期待を寄せているのです。

GoToイートで外食産業が復活か 
Food&Drinkアプリ国内最新人気ランキング 
「食べログ」「ホットペッパーグルメ」
「ぐるなび」

2020/10/22

新型コロナ感染拡大による深刻な市場悪化が続く外食産業を再活性するため、農林水産省は「オンライン飲食予約委託事業」、いわゆる「GoToイートキャンペーン」を2020年10月1日から開始しました。審査基準を満たした13社のオンライン予約サイトから飲食店を予約・来店したユーザーを対象に、次回の会計に利用できるポイント(ランチ500ポイント、ディナー1000ポイント)を付与します。GoToトラベルで息を吹き返した感のある旅行業界に追随し、外食産業の回復への起爆剤となることが期待されています。

Figure 1:
国内Food & Drinkアプリ
2020年10月11日~17日
週間ダウンロード数TOP10(iOS)

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow Data(旧PrioriData)調べ

競争激化の飲食店予約アプリ
 上図のように、世界のアプリデータを測定するAirnow Data(旧Priori Data)によると、国内Food & Drinkアプリの2020年10月17日付週間ダウンロード数TOP10において、カカクコム社「食べログ」とリクルート社「ホットペッパーグルメ」、ぐるなび社「ぐるなび」が、オンライン飲食店予約アプリとしてランクインしています。その他、Retty社の「Retty」は19位、Ikyu社の「一休.comレストラン」は22位でした。

 最も人気の高い飲食店予約アプリは「食べログ」です。アプリからの予約の場合、通常の予約ポイントの2倍が付与されることもアプリ人気の秘密でしょう。また、「ホットペッパーグルメ」のサイト登録店舗数は最多であり、付与ポイントはローソンでも利用できます。「ぐるなび」なら楽天ポイントが付与されるなど、各社はサービスを競っています。

Figure 2:
飲食店予約アプリ
「食べログ」「ホットペッパーグルメ」
「ぐるなび」「一休コム」「Retty」
2020年9月30日~10月15日
ダウンロード数推移(iOS) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow Data(旧PrioriData)調べ
 
GoToイートキャンペーンの開始(10/1)から10月16日時点まで、飲食店予約アプリダウンロード数の首位を守るのが「食べログ」であり、伸び率もダントツです(上図参照)。しかし、「ホットペッパーグルメ」の追撃も激しく、「ぐるなび」をキャンペーン開始から1週間で抜き、今は首位「食べログ」を追いかけています。

 実際に儲かるのは困窮する飲食店ではなく、予約手数料を得るこれら中間業者ばかりであるとのキャンペーン批判も一部にありますが、2021年1月末のキャンペーン終了まで、アプリ間のユーザー獲得競争は更に激しくなることでしょう。

農林水産省HP 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

好調デリバリー市場、「出前館」のキャンペーン
 話はランク順位に戻りますが、上図10月17日付Food & Drinkアプリの週間ダウンロード数TOP10における首位は、前週比231%という圧倒的ダウンロード数を伸ばした宅配・デリバリーアプリ「出前館」でした。これは、出前館が行ったプロモーションに大きな反響があったためです。

 同タイミングである本年10月7日〜15日、出前館は初回注文につき2,000円引きのキャンペーンを公開しました。キャンペーン自体は、サブアカウント(サブ垢)を複数件作成して期間中に何度も割引を受ける不正利用者が続出したために、11日に事前告知なく早期終了しましたが、通常時に「Uber Eats」のほぼ半分のダウンロード数で推移してきた「出前館」アプリが、このキャンペーン期間中は「Uber Eats」の6倍近いダウンロード数を記録しました。デリバリーアプリの三番手である「Menu」は、上位2社からは大差をつけられています。

Figure 3:
宅配・デリバリーアプリ
「出前館」「Uber Eats」「Menu」
2020年9月30日~10月17日
ダウンロード数推移(iOS) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow Data(旧PrioriData)調べ
 
この「出前館」については、本年10月15日付で、出前館の代表取締役である中村氏が20年間の経営から退くという報道があったばかりです。好成績が続く出前館は、本年3月に、双方ともにソフトバンクと資本関係があることから「LINEデリマ」と資本提携しています。新型コロナ禍から甚大な影響を受けているFood & Drink市場の競争激化にあって、生き残りをかけた事業再編のひとつと言えます。

“グローバルアプリ”が大ブームです、世界市場へ参入しませんか?


Airnow Dataブログより抜粋
2020/10/9

a社クライアントサービスディレクター Tim Armes

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

世界には30億人以上のスマートフォンユーザーが存在します。つまり、地球の半数近い人がスマートフォンを所有しているのです。そして、その数はどんどん増えています。このスマートフォン革命は、無尽蔵な市場機会をグローバルアプリ*へ与えています(* グローバルアプリとは、複数の言語に対応した国際仕様のアプリです)。

英国調査企業Technavio社は、グローバルアプリ市場は2018年から2024年までには5倍規模で拡大し、4,970億ドル市場になると予測しています。グローバルアプリ市場は既に巨大であり、そして更に大きくなっていくでしょう。

国別グローバルアプリのダウンロード数TOP10 2019年間VS 2020年9月まで 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

上図は、グローバルアプリを公開している国のトップ10です。最もアプリダウンロード数が多い国はインドでした。特に、2019年第二四半期には54億件の新規ダウンロード数を計上しています。.

もちろん、第2位の米国は、その影響力から考えても大変に重要な市場です。しかし、インドやブラジル、インドネシア、メキシコ、ベトナム、トルコ、タイは全て、近年に経済が発展した国々であり、これらのダウンロード数を合算すると、全世界ダウンロード数の半分に相当する巨大市場となっています。

アプリをどの市場において展開するかは大切な事業戦略の要素ですが、現在最も成長している地域はアジアです。そして、更なるリーチを獲得するために新しい市場へエントリーするなら、上図のようなデータは必須といえるでしょう。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

発展途上国におけるモバイル端末の爆増だけが、アプリ開発業界が変化している理由ではありませんよね?そうです、新型コロナの感染拡大も、市場を大きく変化させている要因なのです。

コロナ禍は、あらゆる種類の世界市場を今も混乱させていますが、グローバルアプリ業界は素早く好況に転じた数少ない市場のひとつです。そして、まさに無敵な好調ぶりと言えそうです。

感染拡大防止のロックダウン時に、モバイルアプリのダウンロードと利用が急増しました。人々は外出を制限され、家庭でデジタル世界と接触したからです。その結果、2020年の初頭10週間におけるGoogleのAndroid向けアプリの売り上げは5%増の360百万ドル、AppleのiPhone向けアプリの売り上げは18%増の690百万ドルでした。

では、どんなカテゴリーアプリが特にダウンロードされたのでしょうか?欧州においては、3月に46%アップを記録したヘルス&フィットネスアプリです。ゲームアプリは19%、書籍アプリは21%の上昇でしたし、Netflixをはじめとするエンターテーメントアプリも激増しました。もちろんFacebook Messenger やWhatsApp などコミュニケーションアプリや、ZoomやMicrosoft Teams、 Houseparty などグループビデオ会議アプリも一気に増加しました。

これらカテゴリーアプリのダウンロード件数がコロナ禍と共に急増した理由は、ある意味、想定の範囲とも言えますが、多くのマーケティング専門家は、この新型コロナの影響は今後も長引くと指摘しています。Airnow Data の解析でも、リモートワークやリモート授業に関わるアプリのダウンロード数は顕著に増加しており、このトレンドはこのまま続いていくと予測します。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

また、グローバルアプリ市場はコロナ前から既にブームの兆しを示しており、9%の成長率で2024年には1,873億件ダウンロード数が予測されていました。そして、新型コロナによる感染拡大はこのブームを永続的なトレンドとしたようです。

このニューノーマル時代の世界にあって、アプリ産業は明らかに、パワーハウスとしてのポールポジションにあると言えるでしょう。今後も各国におけるアプリのダウンロード件数と利用件数はどんどん増加し、グローバルトレンドへの戦略性は、過去にないほどアプリマーケティングに大切となるはずです。だからこそAirnow dataは、グローバルアプリ市場に関わる必須、かつ最新のデータを世界中のお客様へ提供しています。

典拠:
HTTPS://WWW.VISUALCAPITALIST.COM/RANKED-MOST-DOWNLOADED-APPS/
HTTPS://SENSORTOWER.COM/BLOG/TOP-COUNTRIES-APP-DOWNLOADS-Q2-2019-DATA-DIGEST
HTTPS://WWW.WORDBANK.COM/US/BLOG/INTERNATIONAL-MARKETING/COVID-19-GLOBAL-MARKET-IMPACT/
HTTPS://WWW.BUSINESSWIRE.COM/NEWS/HOME/20200629005503/EN/GLOBAL-MOBILE-APPS-MARKET-2020-2024-GROWING-PENETRATION
HTTPS://TECHCRUNCH.COM/2020/04/01/MOBILE-APP-SPENDING-TO-DOUBLE-BY-2024-DESPITE-ECONOMIC-IMPACTS-OF-COVID-19/ 

Uber Eats 日本市場が世界ダウンロード33%で首位
巣ごもり需要が急増した2020年第2四半期の
国内Food & DrinkアプリTOP10

2020/9/14

本年初頭から始まった新型コロナ感染拡大による外出制限やステイホーム、リモートワークは日本の外食産業に深刻なダメージを与えています。外食チェーンの業界団体である日本フードサービス協会によると、2020年4月の外食産業全体の売り上げは前年同月比4割減。特にパブ・居酒屋カテゴリーは9割減という落ち込みを記録しました。9月に入っても東京都下の外食産業は営業時間の短縮を続け、コロナの終息も未定の今、まだまだ売上回復への道のりは遠いかもしれません。

 他方、車も人も激減した街中で頻繁に目にするのが「Uber Eats」の黒いリュックと自転車です。フードデリバリー(外食の配達代行)サービス「Uber Eats」は、外食は避けたいがレストラン料理を食べたい消費者と、テイクアウトで売上げの底上げをしたいレストラン、および面接・履歴書が不要でスピード収入を得たい配達パートナーの3者のニーズがベストマッチしたニューノーマル時代のビジネスと言えるでしょう。

 下図のように、2020年第2四半期(4〜6月)において、国内”Food & Drink”アプリ市場で最もダウンロードされたアプリ(iOS)が「Uber Eats」でした。第2位のレシピ動画アプリ「クラシル」の3倍近いダウンロード数を記録し、圧倒的な首位です。

 また、123%という最も高い伸び率を示したのは、同じくフードデリバリーアプリの「出前館」です。


Figure 1:
国内Food & Drinkアプリダウンロード数 2020年第2四半期(4〜6月)TOP10(iOS)

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:Airnow Data(旧PrioriData)調べ

日本がトップ、国別「Uber Eats」DL数
 ご存知のように、配車サービスUber Technologies社が2015年に始めたフードデリバリー部門が「Uber Eats」です。米国フードデリバリー市場においては、首位「FoodDash」や「GrubHub」「Yelp」との熾烈な競争を続ける中、利益率を高めるために食料・日用品のデリバリーも開始しました。日本市場においては、飲食店側にメニュー価格の35%という高額な手数料を負担させるにも関わらず、その加盟店は3万店に届くと言われています。
 「Uber Eats」は世界50カ国で展開される中、2020年第2四半期における国別ダウンロード数の首位は日本、第2位は米国となっています。

Figure 2:
「Uber Eats」国別ダウンロード数 2020年第2四半期TOP5(iOS) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:Airnow Data(旧PrioriData)調べ

Uber Eats vs 出前館、menu、楽天デリバリー
 日本の「Uber Eats」はその高い手数料にも関わらず、圧倒的な市場拡大を続けています(下図参照)。しかし、デリバリー業界およびピザチェーンやマクドナルドなど自社デリバリーサービスとの顧客囲い込み競争、配達パートナーの交通違反や死亡事故による逆風、TVCMなど広告費、構造的に薄い収益率など課題が無いわけではありません。

 8月下旬には、「出前館」が「Uber Eats」を買収するのではというニュース番組の観測に対して、両者が火消しに追われました。そもそも「出前館」の筆頭株主はLINE社であり、「出前館」と「LINEデリマ」の一本化が予定されています。また、ソフトバンク社がUber Technologies社とLINE社の双方へ投資していることから、興味深い構図が生まれています。

 その他、東京中心の「menu」や飲食店が自前配達する「楽天デリバリー」が巻き返しできるのか、または再編に飲み込まれていくのか、デリバリー業界の競争が続いています。

Figure 3:
国内「Uber Eats」「出前館」「menu」「楽天デリバリー」日別ダウンロード数推移
2020年4月1日〜8月30日(iOS) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:Airnow Data(旧PrioriData)調べ

「Uber Eats」SDK

Figure 4:
「Uber Eats」アプリSDK一覧(iOS) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

MIXRANK社調べ

TwitterやAppleも参戦?
マイクロソフトの「TikTok」買収案件が
グローバルへ拡大
〜最新データで解析する
世界&国内「TikTok」の人気トレンド特集

2020/8/14

インドでの利用禁止や米国トランプ大統領による9月利用禁止宣告に始まり、日本でも調査が始まったSNS動画アプリ「TikTok」の利用者情報漏洩の危険性問題は、世界に大きな反応を与えています。

 当初は、マイクロソフトによるファイブアイズ(米国やカナダなど)での「TikTok」事業の完全買収で決着と思われました。しかし、中国の開発元であるByteDance社は、今後グローバル規模で起きる急激な損益を懸念し、今のうちでの全世界「TikTok」事業の売却を決めました。更に、Twitter社やアップル社も買収に名乗りを上げたとの報道や、ByteDanceが米国政府を提訴するとの噂もあり、引き続きの注視が必要です。

 本号では、「TikTok」の国内およびグローバルでの人気や他アプリ併用率などを最新データでご紹介します。

米国が最大市場
 インド市場を失いましたが、「TikTok」の主要市場は米国です。2020年7月の月間ダウンロード数では、ロシアやブラジルでの人気も高く記録されました。しかし対前月比は、iOSの8.4%減とAndroidの39.8%減。Androidの落ち込みが目立ちます。

Figure 1:
「TikTok」2020年7月度国別ダウンロード数&前月比(iOS & Android)

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:PrioriData調べ
 
また、端末ユーザーベースから解析した利用率では、圧倒的に米国市場が主だっています。米国の利用率はiOSが75.64%、Androidが93.6%にも上ります。

Figure 2:
「TikTok」端末ユーザーベースから算出する国別利用率 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10
Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:PrioriData調べ

注:端末ユーザーベース利用率(Observed User Base Distribution)とは、世界のユーザーが端末内に搭載したアプリのダウンロード総数を国・地域レベルで計測した割合です。PrioriDataは世界25万アプリと35億ユニーク端末IDから、ユーザー端末レベルでのメトリクスを解析し、アプリ利用率をデータ化します。

併用SNSアプリ
 グローバル端末ユーザーベースで「TikTok」と併用されるアプリを解析すると、「Facebook」や「Instagram」「Snapchat」が最も併用されています。最大8名でライブチャットが可能な「ooVoo」も利用されています。

Figure 3:
「TikTok」と併用されるSNSアプリ利用率(グローバル、Android) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:PrioriData調べ

安定した日本での人気
 日本において、ByteDance社はTikTok Pte.から「TikTok」を公開しています。安定した国内人気を持ち、新型コロナ感染拡大による外出自粛期間が始まると、更なる伸びを示しています。iOSとAndroidの相違がほぼ無いダウンロード数で推移しています。

Figure 4:
「TikTok」国内月間ダウンロード数推移8/2019-7/2020(iOS & Android) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Airnow社:PrioriData調べ

アプリ内SDKを大量削除
 中国共産党への情報漏えいの危険性が取り糺されたタイミングと重なったのは偶然とは思われますが、07/06/2020の更新で、多くのSDKが削除されました(下図赤字SDK)。実に27件あったSDKから17件が削除されています。

Figure 5:
「TikTok」内SDK一覧07/06/2020ver. & 07/14/2020ver.(iOS)
 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

MIXRANK社調べ

国内Apple App Store
2020年リリース新作ゲームアプリ
パフォーマンス詳細

2020/7/3

 新型コロナウィルス感染拡大で外出が制限された影響等で、現在ゲーム需要が拡大しています。しかしながら、実際にプレイされているゲームアプリは、新作のゲームアプリではなく、その大半が過去からメガヒットのゲームアプリとなっています。では新作アプリの状況はどのようになっているのでしょうか? 今回のレポートは、日本と米国のApple App Storeで本年リリースされたゲームをピックアップし、本年6月20日までのダウンロード数、売上金額を調査した上で、どの新作アプリに注目が集まっているのか、またそのダウンロード数、売上規模はどれくらいになっているのかレポートします。

まず国内の2020年リリース、ダウンロード数トップ10ゲームアプリを調査してみると、国内パブリッシャーアプリが7、海外パブリッシャーアプリが3と、新作アプリでは日本勢が優勢の結果となっています。また本年6月20日時点で、ダウンロード数100万を超えたのは3アプリであったのが分かります。

 トップはCAPCOM社の「モンスターハンターライダーズ」。コンシュマーゲームで大人気の「モンスターハンター」のブランド力を背景に4ヶ月程で110万を超えるダウンロード数を達成しています。第2位は「Fate/Grand Order」を開発したAniplex社がウォルトディズニー・ジャパンの協力を得て開発した「ディズニー ツイステッドワンダーランド」。キャラクターデザインを「黒執事」で人気を博した枢やな氏が担当していることから前評判が高く、リリース3ヶ月で100万を超えるダウンロード数となっています。

 その他ダウンロード数ランキングで注目すべきアプリは、第5位には、かつて一代ブームを引き起こしたミニ四駆を使ったレースゲーム「ミニ四駆 超速グランプリ」、第6位にはヒット作「戦国炎舞 -KIZNA-」を開発したSumzap社の新作「この素晴らしい世界に祝福を!」、第10位には、音楽原作キャラクターラッププロジェクト(アニメ、ゲーム、ラップミュージックプロジェクト)のゲーム版「ヒプノシスマイク -A.R.B-」がランクインしていることが挙げられます。

Figure 1 :
国内Apple App Store
2020年リリースゲームアプリ
ダウンロード数トップ10
 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, January 1 - June 20, 2020, Japan)
 
次に、本年にリリースされたゲームアプリの売上金額ランキングトップ10を調査すると、無料カジュアルゲームは消え、ダウンロード数とは違うアプリがいつくかランクインしていることがわかります。

 トップは、ダウンロード数ランキング第2位の「ディズニー ツイステッドワンダーランド」。ダウンロードで獲得したユーザーを着実に課金に結びつけていることが分かります。またその売上金額は1,700万ドルを超えています。これに続く第2位は、Yostar社のストラテジー/カードゲームの「アークナイト」。第3位はHappy Elements社の音ゲー「あんさんぶるスターズ!!Music」。 第4位は、香港Sixjoy Hong Kong社のRPGゲーム「コード:ドラゴンブラッド」で、この4アプリが本年6月20日までに1,000万ドルの売上金額を超えています。

Figure 2 :
国内Apple App Store
2020年リリースゲームアプリ
売上金額トップ10  

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, January 1 - June 20, 2020, Japan)

最後に、売上金額トップ5ゲームアプリの月間売上金額の推移を比較すると、リリースタイミングの違いはあるものの、「ディズニー ツイステッドワンダーランド」が長期に渡る売上金額の維持の傾向を示しています。他のアプリに関しては、リリース後翌月が売上金額のピークとなり、その後は売上が下がるトレンドになっていますが、「ディズニー ツイステッドワンダーランド」は、リリース3ヶ月後の6月が最大の売上で推移しています。

Figure 3 :
国内Apple App Store
2020年リリース売上金額トップ5ゲームアプリ
売上金額推移 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, January 1 - June 20, 2020, Japan)

スクリーンショット 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Apple App Store)

日・米アプリ週間人気ランク 
新ブランド動画共有アプリZynnが
コロナショックでも大躍進

2020/6/5

 6月に入り、新型コロナウィルス感染は縮小基調に転じたと判断する国々が増えています。米国では社会・経済活動を部分再開し、日本では緊急事態宣言が全面解除されました。消費者のマインドは、ひたすら在宅と健康維持とで内向きだった時期を経て、少しずつポスト/ウィズコロナの希望へと変わり始めています。今号では、世界54ヶ国のアプリダウンロード、MAU、DAUデータを提供するAirnow:PrioriDataの日米”Non-Game”カテゴリーiOS/Androidアプリ7日間(05/24-30/2020)ダウンロード数TOP5をご紹介します。

米国Non-Gameアプリダウンロード数7日間TOP5 
 ゲームを除いた米国のアプリ市場(Non-Game)において、現在最も人気のアプリは「HBO Max(Now)」と「Zynn」です。下図のように、Androidにおいては「HBO Max」、iOSにおいては「Zynn」のダウンロードが、いずれも第2位を引き離した伸びを示しました。

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata)

 HBO(Home Box Office)は“ペイTV”と呼ばれる市場をリードする、米国ワーナーメディア社の有料ケーブルテレビ局です。日本でも「ゲームアブスローン」や「セックスアンドシティ」など人気作品がシンジケートされています。HBO社は2015年からケーブル会員へのストリーミングアプリを公開してきましたが、最近開始した「HBO Max(HBO Nowから移行)」は、新規ビジネスモデルのストリーミングサービスです。月額14.99ドルでHBOやワーナー社保有のコンテンツ(オリジナル制作含む)、CNNやTNTなどが視聴できますが、ケーブル会員である必要はありません。NetflixやHulu、Disneyに対抗するサブスクリプションスサービスとして、ワーナーメディア社の持つ豊富な番組コンテンツを強みに、ストリーミングビデオ勢力図へ大きな影響を持ちそうです。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

次にご紹介するのは、先月(2020年5月5日)に米国とカナダで公開されたばかりの動画共有アプリ「Zynn」です。中国のTencentが20億USドルを投資したことで話題になった、中国の大人気動画共有アプリ「快手Kuaishou」の北米進出バージョンですが、見た目も機能も「TikTok」(中国版は「抖音Douyin」)にそっくりです。ユニークな点は、動画再生や友人への動画拡散をするとリワード(アプリ内ポイントやAmazonギフト券)を獲得できることです。サインアップの際にFacebookやPayPal口座、電話番号など広い個人情報提供を厭わないなら、110ドルを獲得することも可能なようです。今後は中国の状況同様、「TikTok」のライバルになっていくでしょう。

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

国内Non-Gameアプリダウンロード数7日間TOP5 
 国内のNon-Gameアプリ市場では、「Tokyo Disney Resort App」の急伸が際立ちました。また、学校再開に向けた動きなのでしょうか、辞書アプリ「ことわざ辞書」や98歳の瀬戸内寂聴さんアプリ「まいにち寂聴さん」といった知識系アプリがランクインしています。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata) 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

 (Source: Airnow社: Prioridata)

 新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言は解除されたものの、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドは6月1日、両パークの臨時休園を継続すると発表しましたが、ファンは再開を心待ちにしているようです。 iOSとAndroidどちらも週間ダウンロード増加数NO1だったのが、「Tokyo Disney Resort App」でした。通常は、ライド待ち時間表示、ファストパスやチケット購入などパークを楽しむための公式アプリですが、臨時休園中においては5月26日から期間限定で、パーク限定グッズをアプリからオンライン購入することができます。ディズニーを好きな消費者がアプリ限定グッズを求めてダウンロード数が急伸。初日にはスタート1時間で完売したグッズもあったということです。いずれ発表されるだろうパーク再開を見据えた話題作りとファンサービスが見事なEコマース戦略です。 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

Priori dataのappScatter社がAirpushグループを併合し、新社名を「Airnow plc」へ

2020/5/26

新型コロナウィルス感染拡大で外出が制限された影響等で、現在ゲーム需要が拡大しています。ではユーザーは実際どのゲームアプリをプレイしているのでしょうか?今回のレポートはこの疑問に答えるため、アプリのダウンロード数、売上金額ではなく、MAU(月間アクティブユーザー数)とDAU(一日当たりのアクティブユーザー数)にフォーカスし、現在ユーザーはどのゲームアプリを頻繁にプレイしているのか?主要アプリはどれくらいのアクティブユーザーを保持しているのかをレポートします。なおプラットフォームは国内のApple App Store、集計期間はMAUでは2020年4月17日-5月16日(30日間)、DAUでは2020年1月1日から5月16日で集計しています。

まず下記Figure 1が、今回の集計期間でのMAUトップ10ゲームアプリとなります。トップは任天堂の「Mario Kart Tour」。国内で非常事態宣言が発表された本年4月7日後にアクティブユーザー数が急増しています。但し、この期間のダウンロード数には大幅な増加は見られないため、以前このアプリをダウンロードし、プレイする時間がなかったユーザーが、この期間に一挙にプレイし始めたことが推察されます。

 MAUで注目なのは第2位の「Minecraft」。このアプリは9年前、スウェーデンのゲーム開発会社Mojang社がリリースしたサンドボックスゲームで、レゴ・ブロックのような感覚で、自由に自分の好きな世界を構築・破壊したり、サバイバル生活楽しんだり、非常に創造性に富んだゲームとなっています。このアプリは、最近の国内のダウンロード数、売上金額のランキングでは上位に上がって来ませんが、今回の外出制限、休校措置等によって、このような創造性に富むゲームにユーザーが向かうことは非常に興味深いと言えます。またこの傾向は日本のみではなく世界的に起きている現象で、現在Mojang社の親会社であるマイクロソフトは、今回のコロナ禍によって「Mindcraft」のMAUは1億2,600万人を超えたと発表しています。

 その他MAUランキングで興味深いのは、「Knives Out(荒野行動)」が、「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」を押さえて第3位にランクインした点です。一昨年前から国内でもバトルロイヤル系のゲームに人気が集まってきましたが、「Knives Out(荒野行動)」のアクティブユーザー数が、今まで国内で不動のポジションを維持してきたこの2大アプリのMAUを上回ったのは新たな動きと言えます。

Figure 1 :
国内Apple App Store
ゲームカテゴリ
MAUランキングトップ10アプリ

Mobirise

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, April 17 - May 16, 2020, Japan)

次に下記Figure 2は、本年1月1日から5月16日までのMAUトップ5アプリのDAU(1日当たりのアクティブユーザー数)の推移を示したものです。このグラフからもわかるように、全てのアプリが、緊急事態宣言が発令された5月7日前後に急激にアクティブユーザーを増加させています。

 非常事態宣言以前までのDAUトップは「モンスターストライク」。しかしながら、非常事態宣言後は、アクティブ・ユーザー数のトレンドが変化しています。非常事態宣言後、トップに踊り出たのはの「Minecraft」。4月13日から急激にアクティブユーザー数を増加させて、4月26日には「モンスターストライク」「Knives Out(荒野行動)」を追い抜きトップになっています。また増加数最大なのは「Mario Kart Tour」。非常事態宣言後のDAUは、それ以前の2倍以上となっています。

Figure 2 :
国内Apple App Store
ゲームカテゴリ
MAUトップ5アプリ/DAU推移  

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, January 1 - May 16, 2020, Japan)

スクリーンショット 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Apple App Store) 

国内コロナ禍「非常事態宣言」後
ゲームアプリ
アクティブユーザー数ランキング・推移

2020年3月26日

2020年初頭から始まった新型コロナウィルスによる日本人の生活変化はモバイル行動にも波及し、連日メディア報道される「テレワーク」や「不要不急の外出」「安全」、「一斉休校」などのキーワードが、鮮明に国内アプリ市場も動かしています。今号では、アプリ市場分析ツール「Priori Data(プライオリデータ)」を使って、これらキーワードに関連の深い「ビジネス」と「ゲーム以外」アプリの国内市場の2020年3月第1週の速報データをご紹介します。

テレワーク関連の「ビジネス」アプリが急伸中
通常時であったらビジネスカテゴリー上位を占めている求人・リクルート関連アプリの多くが、当ランキングから姿を消しています。変わって、企業のテレワークに有用なアプリが順調に伸長しました。特に、ビデオ会議に必要な「Zoom」や「Hangouts」、「Skype」や、社内コミュニケーションツール「Microsoft Team」「Slack」の高い伸びが目立っています。

Figure 1 :
2020年3月5日-11日
iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10 

Figure 1 : 2020年3月5日-11日 iOS「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Priori Data, Apple App Store, March 5, - 11, 2020, Japan)


Figure 2 :  2020年3月5日―11日
Android「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10 

Figure 2 :  2020年3月5日―11日 Android「ビジネス」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Priori Data, Google Play, March 5, - 11, 2020, Japan)


3月限定無料コンテンツに人気が集中
ゲーム以外の広いジャンルから国内アプリの人気トレンドを調べた時、従来は圧倒的に首位であった「PayPay」のダウンロード数が鈍りました。代わり、「Hulu」や「少年ジャンプ」、「サンデー」、「Paravi」など、3月内期間限定で無料化されたコンテンツを公開したアプリが大躍進しています。

Figure 3 : 
2020年3月5日―11日
iOS「ゲーム以外」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10
 

Figure 3 :  2020年3月5日―11日 iOS「ゲーム以外」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Priori Data, Apple App Store, March 5, - 11, 2020, Japan)


Figure 4 : 
2020年3月5日―11日
Android「ゲーム以外」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10
 

Figure 4 :  2020年3月5日―11日 Android「ゲーム以外」カテゴリ国内ダウンロード数TOP10

(Source : Priori Data, Google Play, March 5, - 11, 2020, Japan)


若年層の7割以上がiOSユーザーであると言われる中、特に、iOS「ゲーム以外」の首位になった「Hulu」は、前週より1662.4%の伸びを見せました。この米動画配信「Hulu」の日本における事業は、日本テレビ放送傘下にあります。政府の小中高一斉休校勧告を受けた3月6日に、3月末までの100本以上の日本テレビ系番組の無料配信を発表したばかりですが、早速、低迷していたiOSのダウンロード数が、一気に急増しました。他方、Androidランキングでは17位(ダウンロード数57700件)に留まっており、ここでも、若年層のiOS支持が推察できます。

同様に、TBSとテレビ東京が公開する「Paravi」のiOSダウンロードが前週から670%の伸びを示しました。会員登録さえも不要にして初回利用のハードルを下げ、「Rookies(ルーキーズ)」など人気22作品を、3月6日から無料で配信しています。

Figure 5 : 

Figure5

(Source : Priori Data, Apple App Store, March 5, - 11, 2020, Japan)


iOS「ゲーム以外」アプリの6位(Androidでは22位)の「Sugar」は、2018年7月から公開され、フォローした人気タレントから直接、テレビ電話がかかってくるアプリです。親密な気分を盛り上げてくれるコンセプトが若年層の支持を得ており、佐藤健からのテレビ電話が一番人気と言うことです。

スクリーンショット : 

スクリーンショット

(Source : Apple App Store)

ペイペイが1強
スマホ決済アプリの国内1月度ダウンロード

2020年2月27日

政府主導の推進策や、各社が競う大判振る舞いキャンペーンにより、昨年から機運が拡大したキャッシュレスやスマートフォン決済サービス業界ですが、先日(2020年1月23日)、また新しいニュースがありました。「メルペイ」による「オリガミペイ」の完全統合です。

 2016年に公開されたスマホ決済の先駆である「オリガミペイ」は、他社との還元キャンペーン競争による消耗が続く中、ユーザーダウンロード数は全く伸びませんでした(Airnow社PrioriData2020年1月期FinanceランクでAndroid93位&iOS117位)。一方の「メルペイ」は、メルカリアプリ内に含まれる機能として公開されました。ほぼ倒産危機にあった「オリガミペイ」をメルカリが格安買収したとも噂される今回の合併ですが、メルカリ本業の連続期赤字決算を考える時、合併後の「メルペイ」の大幅増収の可能性は不明かもしれません。

 多くのブランドが公開され、激しいポイント還元やクーポン、協賛キャンペーンが繰り広げられたスマホ決済アプリ市場ですが、各社消耗戦の末、現在の勝敗が見えてきました。

「Finance」アプリのダウンロード数トップ10
そこで今回は、PrioriData2020年1月の「Finance」カテゴリーにおける、スマートフォン決済アプリの市場トレンドに注目してみましょう。

Figure 1 :
Priori Data 2020年1月度
Apple App Store「Finance」アプリ国内ダウンロードTOP10 

Figure 1 : Priori Data 2020年1月度 Apple App Store「Finance」アプリ国内ダウンロードTOP10

(Source : Priori Data, Apple App Store, January 2020, Japan)


Figure 2 :  「ペイペイ」アプリ国内ダウンロード数推移(iOS & Android) 

Figure 2 :  「ペイペイ」アプリ国内ダウンロード数推移(iOS & Android)

(Source : Priori Data, Google Play, January 2020, Japan)


AndroidおよびiOSのアプリ市場で圧倒的なダウンロード数を記録するのは「ペイペイ」です。auとドコモのキャリア系決済アプリも強いのですが、「ペイペイ」はそれらを大きく引き離しました。特に、「ペイペイ」のiOSダウンロード数は、第2位「d払い」の5倍強という規模です。

 また、前月からの伸びで注目されるのは、多機能化が進む家計簿アプリ「マネーフォワード」(Andoroid479%、ios207%増)です。資産管理の一年の計は元旦にあり、ということで年初にダウンロードが伸びたのでしょうか。

人気アプリの多さで注目されるのは、楽天です。楽天は、「楽天ペイ」はもちろん、「楽天カード」と「楽天銀行」の金融管理アプリも「Finance」カテゴリー内でランクインしました。

半年間続く「ペイペイ」人気
次に、「ペイペイ」はどのように市場で浸透したのかを見ましょう。

Figure 3 :  「ペイペイ」アプリ国内ダウンロード数推移(iOS & Android) 

Figure 3 :  「ペイペイ」アプリ国内ダウンロード数推移(iOS & Android)

(Source : Priori Data, Apple App Store & Google Play, October 2018 - January 2020, Japan)


2018年10月公開以来の「ペイペイ」のダウンロード推移において、最初のスパイクは2018年12月でした。その後の落ち込みの後、昨年の夏以降にグングンと増え始め、年末年始をピークにした半年間ほど高水準を維持しています。また、「ペイペイ」はAndroidユーザーよりもiOSユーザーに多く導入されている点も興味深いでしょう。

Figure 4 : 
「ペイペイ」アプリダウンロード維持率とMAU(グローバル)
 

Figure 4 :  「ペイペイ」アプリダウンロード維持率とMAU(グローバル)

(Source : Priori Data, Apple App Store & Google Play, January 2020, Japan)


「ペイペイ」は、他アプリ同様に、ダウンロードの当日だけに利用されるケースが多く、1か月後に残るのは1.2パーセントほどの利用だけです。提供キャンペーンの魅力でアプリを導入したユーザーが、その後、継続的・定着的に利用することが少ない「ペイペイ」の課題点が見えているかもしれません。

 「ペイペイ」が仕掛けた還元キャンペーン競争による勝敗結果が出そろい、今後は、業界再編が進んでいくと分析されています。「ラインペイ」と「ペイペイ」の取り組みの行方や、今回の「メルペイ」による「オリガミペイ」吸収、キャリア系決済アプリのサービス拡充とSuicaの行方など、スマホ決済アプリ市場は興味深い動きが続くでしょう。 

「マリオカート ツアー」「ドラゴンクエスト ウォーク]
パフォーマンス比較

2020年2月14日

2019年、ゲームカテゴリでの新作アプリとして、9月10日にスクウェア・エニックスからリリースされた「ドラゴンクエスト ウォーク」と、9月24日に任天堂よりリリースされた「マリオカート ツアー」が話題です。「ドラゴンクエスト ウォーク」は、スクウェア・エニックスの国民的RPGゲームに、コロブラの位置情報を組み合わせた新しいタイプのRPGゲームです。「マリオカート ツアー」も任天堂とDeNAが共同開発したマリオカートシリーズ初のスマートフォン向けタイトルとして注目されました。

 そこで今回は、この「ドラゴンクエスト ウォーク」と「マリオカート ツアー」にフォーカスし、Apple App Storeでのダウンロード数、MAU(月間アクティブユーザー数)、売上金額の推移を比較して、両ゲームアプリの特徴をレポートします

 まずダウンロード数で比較した場合は、「マリオカート ツアー」のダウンロード数が「ドラゴンクエスト ウォーク」を大幅に上回っています。特に、リリース翌月である10月の「マリオカート ツアー」のダウンロード数は、Apple App Store単独で800万を超え、「ドラゴンクエスト ウォーク」の18倍以上となっています。しかしながら、「マリオカート ツアー」のダウンロード数は、翌月の11月には、一気に10月の約1/17へと減少し、その後も減少しています。

Figure 1 :
国内Apple App Store
「マリオカート ツアー」vs 「ドラゴンクエスト ウォーク」
ダウンロード数推移 

Figure 1 : 国内Apple App Store 「マリオカート ツアー」vs 「ドラゴンクエスト ウォーク」 ダウンロード数推移

(Source : Priori Data, Apple App Store, September 2019 - January 2020, Japan)


次に、両アプリのMAU(月間アクティブユーザー数)を比較すると、数値に大きな違いがあるものの、両アプリともMAUを増加させていることがわかります。特に「マリオカート ツアー」は11月から大幅にMAUを増加させており、9月と10月にアプリをダウンロードしたユーザーのアクティブ率やリピート率が高いことが推察できます。

Figure 2 : 
国内Apple App Store
「マリオカート ツアー」vs 「ドラゴンクエスト ウォーク」
MAU(月間アクティブユーザー数)推移 

Figure 2 :  国内Apple App Store 「マリオカート ツアー」vs 「ドラゴンクエスト ウォーク」 MAU(月間アクティブユーザー数)推移

(Source : Priori Data, Apple App Store, September 2019 - January 2020, Japan)


最後に両アプリの売上金額の推移を比較すると、非常に特徴的な結果が出ていることに気づきます。それは、ダウンロード数、MAUでは「マリオカート ツアー」が「ドラゴンクエスト ウォーク」を大きく引き離していましたが、売上金額で比較した場合は、これが大幅に逆転する結果となっています。特に、両アプリの売上金額がピークとなった10月の売上では、「ドラゴンクエスト ウォーク」の売上金額は「マリオカート ツアー」の6.7倍以上となっています。これを他のヒット作「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」「Fate/Grand Order」のAPRDAU(1日のアクティブユーザーの平均課金金額)と比較しても、やはり「ドラゴンクエスト ウォーク」は非常にARPDAUが高いことがわかります。逆に、「マリオカート ツアー」はアクティブユーザー数は多いものの、そのほとんどはお金を払わず、無料でゲームをしていることが推察できます。

Figure 3 :  国内Apple App Store 「マリオカート ツアー」vs 「ドラゴンクエスト ウォーク」 売上金額推移 

Figure 3 :  国内Apple App Store 「マリオカート ツアー」vs 「ドラゴンクエスト ウォーク」 売上金額推移

(Source : Priori Data, Apple App Store, September 2019 - January 2020, Japan)


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(Source : Apple App Store)

2019年、国内Apple App Storeゲームアプリ
年間ダウンロード数
売上金額ランキングトップ10

2020年1月24日

2020年の第1弾は2019年度を総括し、国内Apple App Storeでのゲームアプリ年間ダウンロード数トップ10、ならびに売上金額トップ10を紹介します。

 まず2019年の年間ダウンロード数ランキングで特徴的なのは、トップ10アプリ内の9製品が海外開発のアプリで占められている点です。過去の国内ゲームアプリ・ダウンロードランキングでは、そのほどんどが日本のアプリでしたが、近年海外アプリが日本市場でも受け入れられるようになり、日本のアプリを凌駕する状況になっています。

 ダウンロード数トップは、日本の「Mario Kart Tour」。そのダウンロード数は、第2位「Roller Splat!」の3倍以上と圧倒的ですが、2位以下は全て海外のゲームアプリとなっています。これら海外アプリのほとんどが「ハイパーカジュアルゲーム」と呼ばれるゲームです。

「ハイパーカジュアルゲーム」とは、開発に時間がかからず,極力シンプルなインタフェースで, チュートリアルなしに直感的にプレイできるゲームです。基本無料でプレイでき、広告による収益がビジネスモデルとなっていますが、グローバル市場でスケール展開できれば、莫大な広告費が期待できます。その代表的なゲームパブリッシャーがフランスのVoodoo社で、国内において、「Roller Splat!」「aquaprk.io」「Crowd City」の3アプリをトップ10内にランクインさせています。

 このような海外の「ハイパーカジュアルゲーム」が、国内ダウンロード数ランキングの上位に入ってくるのは驚きですが、この傾向はグローバル市場ではすでに起こっており、国内においても今後さらに拡大していくことが予想されます。

Figure 1 :
2019年国内Apple App Store
ゲームアプリ年間ダウンロード数ランキングトップ10 

Figure 1 :2019年国内Apple App Store ゲームアプリ年間ダウンロード数ランキングトップ10

(Source : Priori Data, Apple App Store, January 1 - December 31, 2019, Japan)


売上ランキングでは、トップ10中8アプリが日本製品となっています。トップ3は前年同様「モンスターストライク」「Fate/Grand Order」「パズル&ドラゴンズ」。長年に渡りユーザーをキープし続けていますが、「モンスターストライク」「Fate/Grand Order」は前年に比較して、6,500万ドル以上売上を減少させています。

 2019年のゲームアプリ売上金額で特記すべきは、第4位に中国NetEase Games社の「荒野行動」がランクインした点です。過去、国内ゲームアプリ売上金額トップ10では、常に日本のゲームアプリが独占していましたが、今回初めて海外のゲームアプリが国内売上金額ランキングトップ10内にランクインした結果となっています。

 その他、2019年で注目すべきアプリは「ドラゴンクエストウォーク」。スクウェア・エニックスとコロプラとの共同開発でリリースされたゲームアプリで、「Pokemon GO」同様、位置情報をフィーチャーしたものとなっています。昨年9月にリリースされたのにも関わらず、2019年にはApple App Store単独でも1億1000万ドル以上の売上を記録しています。

Figure 2 :2019年国内Apple App Store
ゲームアプリ年間売上金額ランキングトップ10

Figure 2 : 2019年国内Apple App Store ゲームアプリ年間売上金額ランキングトップ10

(Source : Priori Data, Apple App Store, January 1 - December 31, 2019, Japan)


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動画配信サービス市場
日本ではAmazonが勝者か?

2020年1月23日

インターアローズがお送りする2020年新春1月号のテーマは、アプリ市場データAppScatter社の世界54カ国をカバーするPrioridataの2019年12月エンターテイメントアプリダウンロードから見た動画配信サービス(VOD:ビデオ・オン・デマンド)の国内動向です。世界33カ国をカバーするcomscoreからも、VODを閲覧する際のディバイスの実態を報告します。 2019年末から2020年の年明けは、例年になく最大9連休という長い休みを取られた方が多かったのではないでしょうか。総合電子書籍ストア「BookLive!」が行なった調査によると、年末年始の過ごし方として既婚・未婚問わず圧倒的に多いのは「自宅」で60.8%。男性のトップは「初詣」ですが、女性は「テレビを観る」がトップ、と自宅派が多かったことがわかりました。そのような中、消費者のスタンダードな娯楽として、動画配信サービスが市場を拡大しています。

2019年3月25日から国内で公開された「Disney DX」、2019年11月2日にはAppleの動画配信サービス「Apple TV+」が日本サービスを開始しました。米国ではNetflixの躍進が目覚ましい中、国内でもNetflixオリジナル「全裸監督」が話題になりました。最も制作費をかけるNHKの大河ドラマが1本で5000万円から7000万円と言われているなか、Netflix オリジナルのTV番組や映画、ドキュメンタリーの制作は、2018年平均で120億ドル(約1.3兆円)を費やしました。2019年には150億ドル(約1.6兆円)まで拡大、2020年度には180億ドルまで増額するだろうとの報道もあります。一方、2019年12月26日より「Disney DELUXE(Theater)」でもオリジナル作品「ザ・マンダロリアン」が配信開始されています。

視聴者の動画配信サービスの選択には、作品数そのジャンルの充実度、月額料金とともにオリジナル作品の魅力も大きく関わっています。また、いつでもどこでも視聴できる視聴方法とスマホ、タブレット、 テレビ、 PC ゲーム機、ストリーミングデバイスやセットトップボックスなど対応ディバイスの多さなども魅力になっています。

2019年12月度iOSエンターテイメントカテゴリーTop5ダウンロード数には2つのVODアプリが入り、Amazon Prime Videoが895.8K回、Netflixが483.3k回でした。音楽アプリのタイトルで App Store を急上昇したのがMusic Dream Boxでした。

Figure 1 :
Amazon Prime Videoが圧勝!

Figure 1  Amazon Prime Videoが圧勝!

(Source : Priori Data, Apple App Store, December, 2019, Japan)


AmazonとNetflixの違いを年間ダウンロードと月間アクティブ状況で見てみましょう。
アプリのダウンロードでは、iOSユーザーのAmazon Prime Videoが圧倒的に高く、2019年1年間で970万回ダウンロードとなっています。特にAmazon Prime VideoのiOSユーザーが、より多くダウンロードしています。

Figure 2 :

Figure2

(Source : Priori Data, Apple App Store, December, 2019, Japan)


アプリユーザーのアプリ利用動向をMAU(Monthly Active User)で見ると、Amazon Prime VideoのiOSユーザーに続き、NetflixのiOSユーザーも活発にアプリを利用していることがわかります。

Figure 3 :

Figure 3

(Source : Priori Data, Apple App Store, December, 2019, Japan)


米国におけるOTT動向 

Figure4

(Source : https://www.marketingcharts.com/digital/video-109123)


米国では、約6,400万人の米国の世帯がOTTを使用しており、WiFiを備えた世帯の3分の2(66%)に達しています。OTTストリーミングは増加し続けていますが、その成長は鈍化しています。1年前の前年比17%の成長と比較して、2019年3月の前年比(前年比)の成長はわずか7%でした。

モバイルおよびデスクトップコンピューターのような一般的なデジタルデバイスは、米国の家庭においてほぼ完全に普及していますが、さらにストリーミングボックス/スティック、スマートテレビ、ゲームコンソールなどのOTTディバイスのリーチは拡大を続けています。

ストリーミングボックスまたはスティックは、3670万世帯のOTTコンテンツ視聴で最もよく使用されるディバイスです。ただし、スマートテレビは2980万世帯(2018年に2,420万世帯)前年比23%であり、最も成長したディバイスです。米国人はビデオゲームをするユーザーが多いのですが、ゲームコンソールを使用してOTTコンテンツをストリーミングする人はそれほど多くありません。2019年3月には、約1950万世帯がゲーム機でOTTコンテンツをストリーミングし、前年比8%の成長率でした。 

2019/12/24

弊社が国内販売を手掛けるアプリダウンロード&売上げ額情報サービス、「Priori data(プライオリデータ)」の運営企業である英国appScatter(アップスキャッター)社が、Airpush(エアープッシュ)社との併合手続きを2019年12月17日に完了しました。社名は「Airnow plc(エアーナウ)」へ変更され、新CEOはPhillip Marcellaが着任。世界130万社のアプリデベロッパーと2億5千万台のモバイルを繋ぐインテリジェンスプラットフォーム企業として、英国株式市場への再上場が2020年に予定されています。

Airpush社の併合が完了
2019年12月13日のappScatter総会における満場一致により、Airpush社の買収を含む全ての決議が可決しました。これにより、2019年12月17日付で合併手続きが完了しました。

合併後の新社名
Airpushグループの合併後の新社名は、「Airnow plc」となりました。TIDM(英国証券コード)は、英国ロンドン証券市場へ再上場後に変更されます。

合併によるビジネス戦略
この合併により、一層の戦略や収益、財務強化が実現しました。
これにより、革新的な技術を有するエンドツーエンドプラットフォームを、世界中のモバイルアプリ開発企業やパブリッシャーへ提供できることになります。弊社グループの製品・サービスは、作成から配布、管理、マーケティング、マネタイズ、セキュリティまでを含みます。

Philip Marcella(Airnow社新CEO)からのご挨拶
「この度、130万社のアプリデベロッパーと2億5千万台のモバイルを繋ぐインテリジェンスプラットフォーム企業となった弊社は、一層多くのパートナーシップを頂戴しました。2020年は飛躍の年になるに違いありません。Airpush チームの方々や株主、関係者の皆様のサポートに感謝しております。」

日本法人の新社名「Airnow 株式会社」
弊社とappScatter社は合弁で、appScatter 株式会社(アップスキャッター株式会社)を2019年7月に設立しております。この度の本社の名称変更に伴い、日本法人も「Airnow 株式会社(エアーナウ株式会社)」に改め、パートナー企業の皆さまとともに日本事業の準備に入らせていただきました。

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