「ワクチン証明」や「COCOA」が急上昇
今週の国内メディカルアプリTOP10
2022年1月17日
亜種の出現で、収束の目処が見えなくなった日本の新型コロナ感染状況。政府は様々な対策を講じてきましたが、その初期のひとつが厚生労働省のコロナ接触確認アプリ「COCOA」でした。そして新たに、デジタル庁「新型コロナワクチン接種証明」アプリも公開されました。
Figure 1:
国内「メディカル」アプリ2022年1月4日〜10日
7日間ダウンロード数対前週増加数TOP10 (iOS)
Airnow社 : Airnow Data調べ
デジタル庁デビュー作「新型コロナワクチン接種証明」アプリ
先月末(2021年12月20日)に、新型コロナワクチンの接種を済ませていることをスマートフォンで証明するアプリ、「新型コロナワクチン接種証明」が公開されました。昨年9月に新設されたデジタル庁の事実上のデビュー作ともいえる、政府の肝いりアプリです。
新型コロナワクチン接種証明
政府公式の接種証明はこれまで、海外渡航用に限定して紙で発行されていました。今回は海外用に加えて国内用にも電子発行し、イベントやコンサート会場、レストランなどで利用できます。また、世界76カ国でも認められる公式証明仕様だそうです。
ただし、発行にはマイナンバーカードが必要です。カード未取得者やカード記載時と情報が変わった人は利用出来ません。また、海外用にはパスポートも必須となります。
公開からわずか2週間でありながら、ダウンロード数は国内メディカルアプリカテゴリー内でも群を抜いています。アプリ品質は概ね好評であり、デジタル庁のデビュー作品はまずは成功、と言えそうです。
新型コロナワクチン証明書アプリの仕組み
再注目か?「COCOA」
今週のダウンロード数第2位、前週比178%を記録したのは、まさかの「COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ、COVID-19 Contact-Confirming Application)」です。2020年6月に厚生労働省が公開した、スマートフォンの近接通信機能(ブルートゥース)を利用して、お互いに分からないようプライバシーを確保しながら、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について、通知を受けることができるアプリです。
しかしマスメディアが、また当ブログでも取り上げてきたように、バグや強制終了、精度、プライバシーなど問題が続出。残念ながら陽性登録件数も全く伸びず、アプリによる感染防止という成果を挙げることは未だ、出来ていません。
ダウンロード数は下図のように、公開から半年を過ぎて一気に減少しました。数々の不具合や通知ミス、陽性登録数と実数の乖離などに対する失望が広がったためです。
Figure 2 :
「COCOA」20年6月22日〜22年1月10日
国内ダウンロード数週別ダウンロード数トレンド(iOS)
Airnow社 : Airnow Data調べ
しかしオミクロン型新型コロナの急激な伸び率を見せ始めた今週、再びこのアプリに注目が集まりつつあります。可能な防御はすべて備えてコロナ感染爆発に備えたいというユーザーの動きが推察できるでしょう。「COCOA」が実績を作れるか否か、ここが正念場となりそうです。