News(2022年4月13日)

露国はVPNアプリに人気集中

ロシア「ノン・ゲーム」アプリの最新ダウンロード数TOP10から分かること

2022年4月13日

 ロシアのウクライナ侵攻が続いています。連日、深刻なウクライナ市民の被害が世界へ伝えられていますが、ロシアでは政府からの報道統制・規制が厳格であり、戦況や世論は正しく報道されていないと指摘されています。戦時下のロシアにおいて2022年3月に最もダウンロードされた「ノン・ゲーム(ゲームアプリ以外)」アプリの最新TOP10を速報します。

Figure 1:

ロシア「ノン・ゲーム」アプリ 

2022年3月1日〜30日の月間ダウンロード数TOP10 (iOS)

Airnow社 : Airnow Data調べ

 ロシアのアプリ(ゲームアプリ以外)ランキングで大波が押し寄せるようにダウンロード件数が急増しているアプリは、“VPN“です。上記2022年3月度の対前月比ダウンロード数のトップ10においても、第8位のキャッシュバック&割引買い物アプリ「Привет, Мир!(こんにちは世界!)」以外は全てVPNアプリです。ここまで同一カテゴリーのアプリが総合ランク上位を占有するのは恐らく類を見ません。

 ロシア政府はウクライナ侵攻後速やかに、外国産インターネットサービスを次々と遮断しました。ロシア国内からはBBCやCNNなどのニュースサイトや、Facebook・TwitterなどのSNS、露シェア2位のネットプロバイダーCogentなどが閲覧できない状況になっています。また、“偽情報”を流したメディア記者には最長で15年間の禁固刑が課せられます。政府に不都合なニュースを隠し、国内世論をコントロールするためです。0

 VPNアプリはご存知のように、“仮想プライベートネットワーク”の略語で、アクセス元の所在地を偽装することができるアプリです。ロシア国民が制限・監視を回避して自由にネット環境を利用し続けるには、強力な暗号化機能を持ち、ファイアウォールを回避できるVPNが必要なのです。今もAppleとGoogleは、ロシア政府からのストア検索窓“VPN“非表示の要請を拒否し続けていると言われています。

VPN – Super Unlimited Proxyスクリーンショット

 

ロシアの通信規制当局は今回の侵攻を“作戦”と称し、”侵攻“や”戦争“と呼ぶこと自体も禁止。実際、侵攻が開始した2月24日以降において自由な報道を求めるロシア国民の多くがVPNを導入していることが、下記トレンドからも確認できます。

Figure 2 :

ロシア国内「VPN – Super Unlimited Proxy」アプリ 

月間ダウンロード数トレンド2021年4月~2022年3月(iOS

 

Airnow社 : Airnow Data調べ