気軽なスマホ決済アプリが続々
国内ファイナンスアプリ今週の人気TOP10
2022年6月15日
世界的にファイナンス分野のデジタル化が急激に進んでいます。本誌今年2月号記事において米国ファイナンスアプリを特集し、市場での生き残りをかけたメガバンクの新アプリや、低所得者向けのちょこっと金融ローンアプリなどをご紹介しました。今月号は、日本のファイナンスアプリの今週トレンドをご紹介します。
Figure 1 :
国内「ファイナンス」アプリ
2022年5月29日〜6月4日の対前週比ダウンロード数TOP10 (iOS)
Airnow社 : Airnow Data調べ
今週の国内「ファイナンス」ダウンロード数前週比第1位は、丸井グループの「エポスアプリ」でした。「旧版エポスカート公式アプリ」から、さらに安全性を高め、管理しやすい新アプリへの切替えが促進されたようです。前週からのダウンロード増加数(56,088件)は第2位「Paidly」の倍近くありました。
最も前週と比べてダウンロード上昇率が高かった(694.3%)のは、第6位の“トヨタがつくる、お金の乗りもの”というキャッシュレス決済アプリ、「トヨタウォレット」です。2019年11月の公開から暫く地味な存在だったのですが、多くの決済システムと連携かつポイント還元率の良さにより、“ポイント二重取り”ができるポイ活アプリとして徐々に人気が上がってきました。
トヨタウォレットのスクリーンショット
「トヨタウォレット」は今年4月から「au Pay」と「Quick Pay」とも連携しました。5月末からは“ポイントWアップ”キャンペーンも開始され、通常のポイントの倍率が獲得できる限定期間のダウンロードが増加したと推察されます。
このサービスは元々、全国数千店舗ほどのトヨタ系列販売店やディーラーなどでトヨタ車オーナーがアフターサービスを受ける際のキャッシュレス対応やポイント還元、いわば自動車購入層の囲い込みマーケティングが当初の目的でした。それがコロナ禍を経て、今や自動車の垣根を超え、全ての消費者が利用できるキャッシュレス決済サービスへ進化したのです。興味深いトヨタのマーケティング戦略を示していると言えるでしょう。
第7位のB2C向け会員制決済サービス「アトネ」も高いダウンロード増加率(474.8%)でした。公開元のネットプロテクションズ社は通販後払いサービス「NP後払い」で成功した企業です。2017年に公開された、現金の持合わせが足りないがクレジットカードも使いたくない、けれど今お買い物したいーーーそんな消費者層のためのネットショッピング後払いサービスです。ネットから、携帯電話認証だけで会員になれます。クレジットカードも銀行口座も不要で、翌月にコンビニ等から振り込みます。
アトネのスクリーンショット
Figure 2 :
「アトネ」アプリ 国内日別ダウンロード数推移
2022年1月1日~2022年6月8日(iOS)
Airnow社 : Airnow Data調べ
本年5月末に新機能、“使いすぎ防止、予算設定機能”が追加されました。利用額が毎月の限度額に近くなるとお知らせメールが届きます。ユーザーのアプリへの安心感が増し、ダウンロード件数が増加したと考えられます。