最先端で気軽な銀行アプリが続々
米国ファイナンスアプリ今週の人気TOP10
2022年2月21日
世界的に銀行業のデジタル化の波は急激に進んでいます。日本のメガバンクの中にはデジタル化の不具合により社会問題を起こしている銀行もありますが、米国では厳しい競争の中、最先端デジタル化に対応したアプリが続々と登場しています。
Figure 1:
米国「ファイナンス」アプリ
2022年2月6日〜12日の対前週比ダウンロード数TOP10 (iOS)
Airnow社 : Airnow Data調べ
今週の米国「ファイナンス」ダウンロード数前週比第1位は、米国の税務署にあたるIRS(内国歳入庁: International Revenue Service)の納税申告書作成アプリです。米国の確定申告の期限日は4月15日とされ、その準備でダウンロード数が増加していると思われます。
第2位は、前週比5592.3%の急激な伸びを示した「Truist One View」です。 米国で7番目に大きな銀行であるTruist(トリスト)は、BB&TとSunTrust が2019年に合併した銀行であり、1,600万人の顧客にサービスを提供しています。
Truist One Viewスクリーンショット
Truist銀行はデジタルバンキングの整備を急ぎ、合併した全銀行を統一して巨大となったアカウントからの流入数に対応しました。下図は、この銀行の2021年から2025年までのIT投資計画です。デジタル野波に対応するために大きな投資を続けていくことが市場生き残りのキーとなるからです。
最後に、今週第10位の新サービス金融アプリ「FloatMe」を紹介します。米国では、低所得世帯が給与支給のタイミングと公共料金等の支払期日があわず、また金融機関の短期ローンも使えないため、高い遅延・手数料を請求される問題がありました。特にコロナ禍により、明らかな社会問題として認識されています。
「FloatMe」は“給与前のちょっと足りない支払い”を最高50ドルまで貸しだすスタートアップ銀行です。月額1.99ドルの登録費用で、無利子、50ドルまでが、手続きわずか2分で米国9600以上の金融機関の口座へ振り込まれます。登録口座の残高不足時のアラートメールを含め、緊急キャッシュサービスとして市場が拡大しています。
FloatMeスクリーンショット
下図のようにコロナ禍が長期化するに応じ、夏季や年末にアプリダウンロード回数が増加しています。
Figure 2 :
「FloatMe」アプリ 7日間ダウンロード数推移
2020年1月1日~2022年2月12日(iOS)
Airnow社 : Airnow Data調べ
コロナ禍の中、米国の低所得者向けの新形態バンキングサービスが増えました。モバイルアプリによる手軽さと合理性の一方、短期間に登場したことで、消費者にとって便利すぎる印象を与えたり、消費者保護の視点から問題となるケースなど新たな問題も生まれています。